多賀マークの教室日記

教育にかかるよしなしごとを、つれづれなるままに・・・。
「教育」というと、力の入った人か、アウトサイダー的な方かの両サイドが目立つ。
僕は、港と山にかこまれた神戸という風土で肩を張らず、妥協もせずに見つめてきた目から、今を語りたい。

プロは簡単に育たない

Posted By on 2016年8月14日

津村節子の著への批評で
佐藤洋二郎が
「谷崎潤一郎は、素人が増えると、その世界は廃れるというようなことを言った」
と書いてあった。
なるほどと思いながら、
最近の教育の傾向に思いが向かう。

およそ人前にさらすほどのこともない文章を書いて
プロとして大衆の一部に認められる。
人前で語るほどのこともないのに登壇して
「すごいですね」
と言われる。
教師修行を経ずしてそれに酔う人間には
育ちはない。
とってだしの「実践もどき」をとうとうと語る。
その浅さは、本人も聞き手・読み手も理解できない。

この言葉は自らも刺す。
僕には語ってはならない分野がある。
プロとして学んでない分野である。
修行を積んでいない分野である。
そこを間違わないようにしないと、
危ない危ない。

札幌での振り返り

Posted By on 2016年8月6日

今朝は札幌は晴れ。
ここ数日のことをいろいろと考えている。
北海道は知り合いが増えた。
アウェー感が全くない。
今年はこの後、函館、帯広、札幌とまだ三回くる。
「多賀先生、北海道に別荘持ってください。土地、安いですよ。」
と言われるが、冬が怖いので、無理。
北海道の地理的な感覚は
関西では想像できない。
知床から来た方がいらっしゃったが
この距離は半端ない。
それだけの距離を車でとばして来られる方がいらっしゃるということ。
いい加減な話はできないなと思う。

ブラッシュはセミナーの作り方が独特で、
参加者の動きを見ているといろいろと学ぶことがある。
学びたい意志が表に出る人には効果的だ。
僕が相手にする方のほとんどは、そういう強い気持ちはない。
学校にうかがうわずかな時間で
自分にできることを模索していきたい。

8月に入った。

Posted By on 2016年8月1日

16日の教師塾はもう定員オーバー。
これ以上は受け付けられない。
参加者は、僕と木下さんが最初に新学期に向けての
講座をするので、送れないように。
10時スタート。
そして、振り返りをきちんとしてくること。

ぼんやりくるな。

自分なりの振り返りでいいが、
僕の1学期の振り返りシートもあるから、
2学期のリスタートの過去の計画例とともに渡せるので
参加者でシート希望の人は連絡すること。
ワードのファイルで送る。
こに書くといやらしいが、
いちいち送るのも面倒なので・・・。

読書三昧

Posted By on 2016年7月31日

完全な休日が3日間あったので、
共著の原稿を仕上げつつ
読書三昧。
こういう時間が必要ということ。
別に意味のある読書なんかじゃない。
若手に
「読書してますか。どんな本?」
と聞くと、教育書をあげるので
「子どもが学習参考書を読書だと言ったら、どういいますか?」
と言っている。
教師は教育書を読書なんて言っちゃいけない。
ということで、今回読んだ本は
◆『日本映画史110年』四方田犬彦 
有名な100年に書き加えたものだけど、僕は初めて読む。
◆『捜査一課係長 柳原明日香』黒崎 視音
これは、つまらなかった。まわりくどい書き方が好きじゃないし、
キャラが立っていない。
◆『捜査組曲 東京湾臨海署安積班』今野敏
これね、新刊出たら、もう読むしかないんだよね。
テレビドラマになる前から、最初から、ずっと読んでいるから。
どうしても須田が塚地になってしまうし、村雨のイメージは中村俊輔じゃないよなあと思いつつ。
◆『共犯捜査』堂場瞬一
さすがの書きっぷり。僕はこの人の文体が好きなんだなあ。
◆『ONE』内藤了
これもドラマになっちゃったら、つまらない。
関ジャニの横山くんのキャラは、原作にはないし
鬼女の都夜のイメージは佐々木希じゃないしなあ。
ドラマはドラマなりに面白い。

この頃、ほんとに女性捜査官ものが増えた。
映画の『ゴーストバスターズ』も女性隊に変わった。
女性に日の当たる時代は来るのかなあ。

落ち着きのない子ども

Posted By on 2016年7月30日

一人を読み解く
僕の通知表には、著書にも書いているが、
本当に毎年、
「落ち着きがない」
と、書かれている。
よほど落ち着きがない限り、こんなことは書かれないだろうに。
その当時、僕はどういう感覚だったんだろう。
今、教室で落ち着きがないと言われている子どもたちの思いに
僕は近いのではないだろうか。

自分を紐解くことから、何か見えてくるかも知れない。

幼児期に、児童相談所へ連れて行かれたことがある。知能指数も測ってもらって、138だったそうだ。
当時の測定だから、本当のところは分からない。
なぜ、そこへ連れて行かれたか。その方が、問題である。
「ずっとおしゃべりをして、おしゃべりがとまらない」からだそうだ。
結論として
「英語でも習わせましょう。」
ということになって、僕は英語を教わりに個人の先生のお宅へうかがうことになった。
その英語のおかげで、僕は発音記号で単語を読むことが出来るが、
英語は真面目に勉強しなくても中学一年生まではできたので、
かえっていいかげんになって、大学受験で苦しむことになる。

小学校当時を振り返ると、僕自身は落ち着きがないという感覚は全くなかった。
自然にふるまっていただけだと思う。
ただし、授業中がとてもつまらなくて、退屈して、いろんなことをしていたかも知れない。
授業に集中したという記憶がない。
常に鉛筆の後ろをかんでいて、ぼろぼろだった。
教科書のはしっこをちぎって食べる癖も、ひどかった。それは、家でも同じだった。
神経症だったのかも知れない。
貧乏ゆすりもよくしていた。
学校に必要のないものを持ってきて、よく叱られた。
ミニカー、シール、パチンコ、ほとんど見せびらかすために持って行っていたように思う。

二年生の担任からは、
「私はこの子の面倒は見られません。」
と、言われたそうだ。
僕はその若い女の先生が好きだったから、全然悪いイメージはないんだけど、
母は、懇談でそう言われたらしい。

その割には、毎年のように学級委員長に選ばれていた。
当時は立候補なんてシステムがなかったから、「なりたくもないのに、させられている」感が強かった。

「落ち着きがない」「ちょろちょろしている」「一言、多い」というのが、大人が僕を評するときによく使う言葉だった。
今だと、「多動」だとか「AD/HD」だとか、言われるのだろうか。
そういうように呼ばれる子どもたちの中に、僕の子ども時代を彷彿とさせる子どもたちが、たくさんいる。

テレビも見る。漫画も読む。

Posted By on 2016年7月23日

昨日のの高槻の学校での講演の後
教頭先生が、職員に言った言葉がうれしかった。
「休みに入ったから
テレビも見ましょう。
漫画も読みましょう。
子どもたちの好きなものも知らなくては、
子どもたちとの距離がどんどん遠くなってしまいます。」
これはね僕の講演の端々に
流行りのことが出てくるからだ。
別に受け狙いだけではなくて[それもないとは言えないが]
子どもたちの流行りを知ることには意味があると考えているから。
流行りの本や漫画には、今の子どもたちのそのままが描かれていることも多い。
それは流行にのれと言うことではない。
高槻から京都へ、そこから新幹線で東京へ。
昨夜は宇野さんと藤木さんと加藤さんと呑み会。
初めて四人が顔をそろえた。
みなさんとは、全て個人的につながった。
出逢いの形もさまざま。
僕は人と常に一対一の関係を持とううとする。
濃い組織やグループとは無縁の人間だから。
でも、こうやってつながって『女性教師だからこその教育がある』[学事出版]という本になった。
人生はおもしろい。

研究主任会は、有意義だった

Posted By on 2016年7月18日

研究主任会の感想を各自に送付した。
今回はワールドカフェの形にしたが、
やはり少人数での話し合いは、聞きたいことが聞けて
良かったのではないかな。
ベテランをどう引き込んでいくかが
多くのポイントでもあったように思う。
ベテランは、意固地になられると困った存在になる。
そうしないために、管理職でもない研究主任のできることを考えないと
正攻法ではダメなんだね。
鈴木優太じゃないけれど、
「キャバ嬢さしすせそ」
は、有効かも知れない。笑笑
次回は、僕の予定しだいでできるかどうか分からないけど
もう一回は、やってみたいなと思った。

※ 8月16日の教師多賀塾は、定員をオーバーしたので
締め切りにした。
なんせ、ぼくんちのキャパがあるから、
『てぶくろ』みたいには、いかない。

「言葉を磨く」

Posted By on 2016年7月15日

「言葉を磨く」
言葉を磨くということは日常的なことで
簡単に一年や二年でできることではない。
ワックスを使わずに松ヤニを含んだ雑巾で
磨き上げた床は、本質的な美しさを持つ。
簡単に見かけをきれいにしても
コクが足りないものになる。
教師として、とても言葉を聞いていられないような人がいる。
若いうちは、それでもいいだろう。
何十年とかけて磨けばいい。
若手にはモラトリアムがある。
しかし、ある程度の年齢になってからの言葉の軽さは
いかんともしがたい。
そして、そういう人は、他者の使う言葉の深さまで読めない。
自分の使っている言葉がすべっていることにも気付けない。
こんなこと言ってるから、
「連絡帳を書くときに、とても緊張します」
なんて言われていたのかも知れない。

教師塾 8/16

Posted By on 2016年7月10日

8月16日に、教師塾。
4月に引き続きの第2回。
今回は、関学の木下先生がゲストで来て下さる。
算数については、力強いご協力を頂ける。
一応、前回の参加者優先で声をかけて
現在11名の参加。
前回と違うメンバーも入っている。

2学期のリスタートへ向けての準備をする。
本当は8月末にやりたいところだけれど、
僕が忙しすぎて・・・。
もしも、参加したい若手がいれば、
後少し、受け付ける。

春のときは、僕のノートを写真に撮ったり、
資料を読んだりと、
アクティブに学んだが、今回も同じ形をとる。
僕のところには、かなりの若手向けの書籍もあるので、
大いに活用してもらいたい。
自分の漠然とした計画などは、作ってきた方がいい。
一学期の反省も含めて。

■ 8月16日、午前10時~午後8時
■ 参加費・・・なし。
■ 服装・・・ラフな格好。スカートじゃない方がいい。
■ 持ち物、パソコン、ノート、教科書など。
    USBなども。
    自分の飲み物、みんなでつまむお菓子など
    近くに自販機はあり。
    (食事は簡単なものを、用意する。)
■ スケジュール (時間はアバウトです)
 ① 10時~
  2学期のリスタートに向けて・・・多賀
  2学期リスタートの算数指導・・・木下
 ② 11時過ぎ~昼過ぎまで 
  各自の準備づくり、随時、多賀と木下に相談。
 ③ 昼食
 ④ 1時半頃~6時過ぎ 準備 (休憩は、各自で適当にとる)
 ⑤ 夕食
 ⑥ 8時までスパートして解散。

思い・・・

Posted By on 2016年7月6日

昨日は教え子と食事。
教育に携わっているが、
ほんの数年でたくさんのことを学んでいることが分かった。
子どもとの距離の取り方、
子どもの受け止め方。
僕から学ぶまでもなく、
子どもたちから学んでいる。
たのもしかった。
お父さんが生きていらっしゃったら、同い年。
僕が担任しているときに病で亡くなられた。
亡くなられる数日前に
「多賀先生に会いたい」
とおっしゃったが、かなわなかった。
僕に託したい思いがあったのだろう。
ずっとそのことを思い続けている。
昨日、心の中で
そっと伝えていた。
「立派に育ちましたよ」
って。