多賀マークの教室日記

教育にかかるよしなしごとを、つれづれなるままに・・・。
「教育」というと、力の入った人か、アウトサイダー的な方かの両サイドが目立つ。
僕は、港と山にかこまれた神戸という風土で肩を張らず、妥協もせずに見つめてきた目から、今を語りたい。

「ジレンマ」

Posted By on 2016年2月16日

教室で「あの子」が問題行動を起こして、
担任がお手上げになる。
管理職やベテランが入り、
「厳しく」指導して収める。
隣の厳しい先生のクラスにおじゃまさせて
とりあえず、おとなしくさせる。
そうしている間は、元のクラスは平和になる。
こういうことは、よくあることだ。
たいていは、その後、担任は
「もっと厳しくしなさい。」
という指導を受ける。
僕は、そういう話を聞く度に、暗澹たる思いになる。
自分もそういう厳しい教師であったことと、
現場では、とりあえず収めなければならないときもあるからだ。
でも、「あの子」の思いはどこにあるのだろうか。
厳しい指導は、「あの子」の自制心をさらになくすことにならないのだろうか。
非難しているのではなく、
なんとかならないのかなと思う。
インクルーシブどころではない実態というものは、確かにあるのだ。
法律も施行されるのだから、もっと智恵を出し合うという発想が必要だ。
主張し会うだけでは、前には進めない。

低学年セミナー

Posted By on 2016年2月15日

第2回 低学年セミナー
昨年度試みて好評だった低学年に特化したセミナー、今年も開催します。各地でのセミナーは、高学年専門講師が圧倒的に多いので、どうしても高学年をイメージした子どもの姿で語られています。低学年の指導は、高学年とは違っています。低学年についての生活、授業の在り方を追及します。
■ 2016年3月20日(日)13時半~17時
■ 参加費 3000円 
■ 場所 兵庫県私学会館
http://www.hyogo-shigaku.or.jp/map.html
■ 内容
13時半~14時15分 「低学年(1~3年)を俯瞰する」多賀講座
14時20分~15時20分 「2年生の楽しい授業」中條講座
15時30分~16時15分 「1年生のとらえ方」 多賀講座
16時20分~16時50分  Q&A
■ 中條佳記。奈良県の小学校教諭。教育サークル「MY KOHAN」奈良事務局、教室を笑いであふれさせることを旨とする「お笑い教師同盟」の一員で、教員間のネットワークづくりに努めている。関西を中心に教員向けセミナーを主催する傍ら、自らも講演者として壇上に立つ。 著書『子どもの実感を引き出す授業の鉄板ネタ54』『コピーして使える授業を盛り上げる教科別ワークシート集 中学年』(黎明書房)
■ 多賀一郎 (追手門学院小)私学教師として永年担任を持ち続ける。現場主義。年間10校の公立校への指導助言の他、全国で親塾を主催して、保護者教育にも力を注ぐ。著書『ヒドゥンカリキュラム入門』『教師の話し方』『心を育てる作文教育』(明治図書)『一冊の本が学級を変える』『全員を聞く子どもにする教室の作り方』(黎明書房)他、共著、編著多数。

申し込みは下記から
http://kokucheese.com/event/index/349233/

合掌

Posted By on 2016年2月12日

大石先生の奥様から
枕花の御礼として、
直筆のお手紙をいただいた。

心あるご夫婦。
このお忙しくおつらいときに、わざわざ一筆くださるとは・・・。

大石先生の最期のご様子と絵本二冊と帽子とたくさんのお花と共に
逝かれたご様子も、
伝えていただいた。
京都女子大を一周してから斎場に向かわれたとのこと。

涙こそ流さないが、
心が痛い。

「先生もお身体大切に、
そして迷える教師達の灯台になって下さいますよう念じております。」

このお言葉を大石先生からの僕への遺言だと
心に入れて生きていきたい。

ストーカー殺人

Posted By on 2016年2月11日

ストーカー殺人、本当に多い。
以下は、冷静に考えて軽く流して読んで頂きたい。

これって、いわゆる「男の恥」みたいなことがなくなってきたことの現れかも知れない。
昔は、未練を持つというのは、女性の特権(この言葉はおかしいけど・・・)のようなものだった。

男性の持つ暴力性を抑制していた
「かっこわるい」
とか
「女々しくて恥ずかしい」
とかいった意識が、なくなった。
そのこと自体は悪いことではない。
でも、男性の暴力性を抑制していたたがが外れたのだから
別の抑制剤が必要なのかも知れないね。

みんなが高倉健の感覚だったら、ストーカーは絶対に起きない。

そういえば、昔の演歌は「女の未練」をたくさん描いていた。
『やっぱ好きやねん』
『女の操』 ~あなたのけしておじゃまはしないから、おそばにおいてほしいのよ~
『嘘』 ~女が後から泣けるよな 哀しい嘘のつけめ人~
『氷雨』 ~歌わないでくださいその歌は 別れたあの人を思い出すから ~
『愛はイエスタデイ』 ~あのころ 忘れさせてよ イエスタデイ~
『津軽海峡冬景色』  ~さよなら あなた 私は帰ります 風の音が胸をゆする泣けとばかりに ~
『博多未練』  ~ 恋を拾ってまた捨てて いつも泣くのは女だけ~
『雨の慕情』  ~雨雨降れ降れ もっと降れ 私のいい人 つれてこい~
『心のこり』  ~私ばかよね おばかさんよね あきらめがあきらめが悪いのね ~
ほらね。

新年度のために

Posted By on 2016年2月10日

4月3日【日】 
本番前の教師塾(多賀自宅) 
新年度に向けて一日中、どうスタートするかを具体的に考える。決める。
参加者は、若手のみ。
僕とそれなりに交流がある先生で、
(どういう人か分からないと、言葉をかけられないから)
今年こそ、今年から、という意気込みのある方。
希望者は、多賀まで。定員はあと少し。

参加費は無料。
 
   ※ 時間は10寺~22時。 電車で来たら、駅まで迎えに行く。
   ※ 持ち物・・・自分の飲み物とおやつ。食事は、昼も夜もこちらで用意。
   ※ 参加時間は自分の都合で自由。
   ※ 新年度の取り組みについて書き込んだ自分のノート。
   ※ 教科書、参考書、文献、その他。ノートパソコン。USBメモリー等

大石先生と僕 4

Posted By on 2016年2月9日

阪神大震災のとき、真っ先に連絡くださって
「多賀さん、作文やで。今こそ作文や。」
と、背中を押して下さった。
だから、子どもたちに書かせ続けた。
それは間違いなかったと確信している。

一年生の口頭作文だって、
大石先生に教えて頂いて始めたものだ。
レイアウトへの考え方も教えてもらったものだ。
そこから僕なりに発展させた実践がいくつもあるが、
師匠の教えからスタートしている。

『作文教育』の本が出版できたのも
大石先生の薫陶のおかげだと思っている。
作文が技術だけではなく、
心の教育だと教えてくださったのだから。

大石先生と僕 3

Posted By on 2016年2月8日

文科省から表彰されるというとき、
「多賀さん、わしの生き方は文科省に従わない生き方や。
そんな人間が文科省の表彰受けたら、あかんのとちゃうかなあ。」
とおっしゃったので、
「先生、この生き方を貫いて文科省に認めさせたんですから、
堂々と受けて来て下さい。
先生が代わったんじゃなくて、文科省が変わったんですよ。」
と申し上げた。

ときどき、僕と呑んでいるときには
「人間大石進」が垣間見えた。
弱さも見せて下さった。
灰谷健次郎が亡くなったときに、泣くお姿を見たときの衝撃は
今も忘れられない。

私学教師としての気概があった。
僕が私学の国語部を今もサイドから支えようとしているのは、
大石先生の遺志をついでいるからだ。
僕はいつもこう言っていた、
「先生へのご恩返しは、先生にはできません。
これからの私学の先生方に、返していきます。」
と。

大石先生と僕 2

Posted By on 2016年2月7日

大石先生から頂いたさまざまな手書きの実践。
それらは大切に残している。
軽度だが慢性のアルコール中毒の先生なので、
字がいつもぶれている。
それが先生の個性でもあった。

正直、授業は絶対に僕の方が巧いと思っている。
でも、人間としての大きさや、子どもを見る力は、全くかなわない。
僕はいつまでもこの方を追いかけるのだろうか。

何と言っても作文教育の実践家であった。
到達度評価についても実践家であったし、
一読総合法でも譲れないものを持っていらっしゃった。

でも、何よりも僕に影響を与えたのは、
絵本の世界へ誘ってくださったことだ。
最後に頂いた絵本は、長谷川義史さんだったが、
たくさんの絵本を贈ってくださった。
宮西達也さんと祇園で一緒に呑んだこともあった。

絵本に関しては、僕は大石先生とは違う読み方だけどね。
不祥の弟子というのは、僕は大石先生と同じ道を踏襲しないからだ。
僕は僕のやり方で貫く。
師匠の通りにはしない。
そういう師弟関係なのである。

ロケットスタート 3/26です

Posted By on 2016年2月7日

今年も、新年度に向けてのロケットスタートセミナーを開催します。
今年は仙台から、鈴木優太、尾形英亮の若手に来てもらって、
若い教師がどのようなロケットスタートを準備するのかを語ってもらいます。
それに対して、多賀が細かいところを斬り込んで、先生方にも活かせるように質問していきます。
また、例年よりさらにバージョンアップした学級スタート、授業スタートの準備の仕方についてノートで考えていきます。
今の時代、準備を怠ってスタートを切ることは、どんなベテランでも危ないものです。
新年度に向けての準備のためのセミナーです。
なお、例年通り、懇親会でG&Aを行います。飲み会ではありません。

日時 2016年3月26日 1時~5時  場所 兵庫県私学会館

スケジュール
① 1時10分~2時10分 ロケットスタートの必要性と具体的方法・・・多賀
② 2時20分~3時20分 鈴木流 ロケットスタート 
③ 3時30分~4時30分 尾形流ロケットスタート
④ 4時30分~4時55分 多賀が突っ込んで聞き出す、スタートのコツ

■ 参加費 3000円  
■ 懇親会は2次セミナー 近くで費用は4000円程度

申し込みは、下記サイトから

http://kokucheese.com/event/index/351376/

大石先生と僕

Posted By on 2016年2月6日

元京都女子大附属小学校の大石進先生が亡くなられた。
僕は不祥の弟子であるが、
一番弟子だと思ってきた。

大石先生と僕とのことを、書きたい。
それが「綴り方の弟子」である僕のするべきことだから。
冥福を祈るよりも、葬式で涙を流すことよりも、
きっと大石先生はこれを望まれると確信している。

大石先生と出会ったのは。甲南小学校へ勤めてまもなくの
私学の研修大会だったかな。
小柄で色黒で個性的な「おっさん」だった。
「偉い先生」だったが、反骨精神の強い僕は、
「すぐに追いついて見せる」
と、いきまいていた。
本当に自力がつき始めて、かなり上ってきたという実感を持ったとき、
初めて大石先生が自分の届かない高い頂きにいらっしゃるということが分かったのだが、
最初は、そんな感じの出逢いだった。

厳しい方だった。
僕の友人達もかなり厳しい言葉を浴びせられたが、
なぜか僕には厳しいことはおっしゃらなかった。
僕が弱虫で、打たれ弱いということを見抜いていらっしゃったのかも知れない。

大石先生は、当時、教科書に関わっていらっしゃって
日本作文の会の理事でもあった。
本来は雲の上の人なのに、
「多賀さん、京都に遊びにきいや」
と、かわいがってくださった。
粋人だった。
祇園を歩いていると、舞妓さんや芸妓さんが
「やー、大石先生。ごぶさたどす。どないおしやすの」
と、挨拶するのには、驚いた。
なにしろ、何かの雑誌の特集グラビアで祇園の舞妓さん特集したときに
全ての舞子の紹介文を大石先生が書いたのだから。
京都の美味しいところへ連れていってもらい、
舞妓さんと話をさせていただきと、
僕が京都の夜の町に詳しいのは、そういう導きがあったからだ。

一緒に遊んだ思い出ばかりが出てくる。
大石先生との出逢いがなければ
僕は幅の狭い、教師馬鹿になっていただろうと思う。