親力 36 関係修正力

Posted By on 2022年3月16日

⑬ 修正力
 親と子どもとの関係は、常に盤石というわけではありません。
 ちょっとしたことでボタンを掛け違って、それを放置しておくと、修正不能な状態になってしまうものです。
大人と子どもとの関係において、修正する責任は大人の方にあります。
子どもが謝ってくるのを待つというのも選択肢としてはありかも知れませんが、それは関係を修正することにはならないと、僕は思います。
ボタンが掛け違っていたら、早めに掛け直すことが必要になります。
放っておけば、どんどんボタンはずれていって、おかしなものになってしまうでしょう。
親子なのですから、掛け違ったと気づいた時になんとかすれば、良い方向に向かうはずです。

うちの庭に小手毬の木が二つあります。20年以上も前に頂いたものを植え替えたもので、毎年美しく咲き誇ります。
一年生の担任を終わった春休みに、家まであるお母さんが持ってきて下さったものなのです。
とても子ども思いのお母さんでした。
愛情の深い方でした。子どももとてもお母さん思いで繊細な子どもでした。
だのに、ボタンを掛け違えてしまっていたのです。
僕が子どもから思いを聞き取って、懇談で語ったときぽろぽろと涙をこぼしながら、でも、目をそむけずに聞いてくださったことを覚えています。
その日から、二人でボタンをかけ直しました。
時間はかかったけれども、親子だから、大好き同士だから、すてきな関係になっていったのです。
関係は修正どころか、ずっと強固なものに変わったのです。
そのお礼に頂いた小手毬の木です。この木が咲く度に二人の笑顔を思い出します。

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