親力 ⑫
Posted By taga on 2022年2月18日
⑤ 信頼力
これは、子どもに信頼されるということではなく、子どもを信頼できる力のことです。
親は子どもを信じたいという方がほとんどですが、時には盲目的に信じてしまって、子どもの事実を受け入れられない方もおられます。
「うちの子に限って・・・」
という言葉が口をついて出てくる方です。
こういう方は、学校の先生や周りの人たちにとっては、困った方なのですが、最終的には、子どもがゆがんだ形で成長していくので、大きなマイナスとなることでしょう。
一方、子どもというものは、ときどき、親も信じられなくなるような言動をとることがあるものです。そんなとき、どうすれば子どもを信じることができるのでしょうか?
※ 子どもの将来を信じられる
子どもが問題行動を起こしたとき、親は少なからずショックを受けます。これまで信じていたことが、がらがらと崩れ落ちていくような気持ちになります。
また、何度も注意や叱責を繰り返しているのに、全く改善されないようなときには、どうしていいか困ってしまいます。
あるとき、お母さんが懇談で泣きながら
「うちの子、どうしたらいいんでしょうか。自分の非は全く認めようとはしないし、人にはくってかかるし、大人には逆らうし、私の言うことなんて全然聞いてくれません。」
とおっしゃいました。
この子は下の学年の子どもからやっていたことを指摘されて逆切れして、下級生に食って掛かったのです。この件では、下級生のお父さんが学校に来られて僕と話をしたほどでした。僕も、正直困っていましたが、お母さんには、
「今、あの子のしていることには、認められることはないかも知れません。でもね、お母さん。あの子の将来を信じて待ちましょうよ。お母さんが見放したら、誰もあの子を信じる人がいなくなってしまいますよ。」
と言いました。
その子は立派に成長して、いいお母さんになって、友人たちにも恵まれています。
今、たとえ信じられない言動が目立っていたとしても、その子の将来を信じて、今を教育するということが、子育てには必要な時もあるのです。
※ 子どもに任せることができる
親は、子どもに任せきることが、なかなかできません。小さな事なら、我慢して見ていることはできるかもしれませんが、時間のないとき、一人では解決が難しそうなときに、
「一人でがんばってみたい。」
と言われても、手や口を出してしまうものですね。
まして、失敗すると分かっていたら、その前になんとかしてやりたいと思うのは、当然の親心です。
しかし、そこで手を出すことによって、子どもは「失敗する」という大切な経験をしないままになってしまうのです。失敗は決して無駄にはなりません。
失敗すると分かっていても、子どもに任せてやり切らせるという心を持ってほしいと思います。
Comments