親力 ⑪
Posted By taga on 2022年2月17日
※ ギャグ力
これは関西人とそうじゃない地方とでは、若干ニュアンスが違っていると思います。関西では、子どもたちもギャグを理解していて、ベタなギャグを受け止めてくれます。
あまりにもつまらないダジャレを言ったりすると
「今日は寒いなあ。」
とか、
「しょうもなー。」
とかいうように、何らかの反応を示してくれるのです。
話をしていて、
「今の話、落ちは何?」
なんて聞く子どもも出てきます。
関東ではー――。
昔、僕が私学の日小連国語部の全国委員長をしていたときのことでした。東京で私学の研修会があり、開会の挨拶をした時に、僕はつまらないギャグを言ったのです。西日本では、
「また、多賀先生、あほな事言ってるわ。」
と、笑い流してもらえたことでしょう。
ところが、東京や関東のみなさんが多い大会だったので、僕がギャグを言ったとき、ほとんどのみなさんが「なるほど」というように真面目な顔をして、うなずかれたのです。
あとで西日本の連中に
「多賀先生、あの挨拶すべってたで。」
と言われましたが、関西と関東とでは、それほど違いがあります。関東では、全国委員長のような立場の人間は、くだらないギャグは飛ばさないものなのですね。
それから、自虐ネタもだめなようです。関西では自虐ネタは受けます。というか、偉そうなことを上から目線で語るだけでは、多くのみなさんが聞いてくださらないのです。だから、関西での公演では自虐ネタを時々入れます。関東で講演するときは、若干上から目線で話す方が、話を聞いて汲田セサルような感じがします。
僕はギャグの基本は、自分を笑うことだと思っています。他者をあざけって笑うのは、僕には体質的に合いません。
いずれにしても、ユーモア力は、身に着けるのが難しいものです。ユーモアのある人ってうらやましいですよね。
落語やお笑いを視聴することです。そうすれば、少しはユーモアの感覚ができてくるでしょう。
そして、ユーモアあふれる絵本を子どもたちに読んであげるのも一つの手だと思います。
「ふるやのもり」(瀬田貞二、田島征三 福音館書店)
「世界一ばかなわたしのネコ」(ジル・バシュレ、伊勢英子 平凡社)
「ありんこぐんだん」(武田美穂 ポプラ社)
「ぴっけやまのおならくらべ」(かさいまり、村上康成 ひさかたチャイルド)
「なんでやねん」(中川ひろたか、あおきひろえ 世界文化社)
等々、いくらでもありますよ。
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