ちょっと言葉も考えてみよう -教室の「あの子」⑭-

Posted By on 2015年1月10日

自己肯定感を打ち砕く言葉というものがある。

①「ちゃんとしなさい」という言葉は、大した言葉ではないようにみえるが
なにが「ちゃんと」なのか分からなければ、
とても理不尽なことをいわれているように感じるものだ。
「ちゃんと」とは、曖昧な言葉。
でも、多くの子どもたちは、それでも「この教師は何が言いたいんだろう」と推察して、
なんとかそれに合わせようとしてくる。
でも、全く分かりにくい子どもたちがいる。
この子たちから見ると、教師の言葉は異国の言葉に感じるだろう。

② どうして話も聞かずに関係ないことをしているの?
ということを教師は言う。
問題なのは、「関係ないこと」という表現。
教師はよく使う、この言葉を。
僕も使ってきた、自戒を込めて言っている。
これは独りよがりの言葉。
従来の教室では、ずっとこういう発想で授業が行われてきた。
そして、成果も上がっていた。
子どもたちに教師の課題へ向かわせるために使う言葉が、この言葉。
授業中に関係ないことをしている子どもには
「関係ない」という認識そのものがない場合がある。
つまり、関係がないからということが、自分のしていることを止める理由にならないわけだ。
「関係ないから、してはいけない」という理屈そのものが通じないのです。
言葉の意味が通じないのだから、し続ける。
そして、何度も叱られて、自己肯定感を下げていくことになる。
理由もなく叱られているのだから。

③ そして、「何回いえば分かるのか」という完全に子どもを否定した言葉。
この言葉は、ご家庭でお母さん方が、子どもたちによく使う言葉。
思いっきり子どもを否定する言葉でもある。
まず教師が考えておかねばならないのは、
何回もいうことで、少しずつできるようになる子どもがいるということ。

こんな言葉を使わなければ、いいんですね。
言っても、子どもが大きく変化することもないのだから。

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