マイペースはいけないことなのか -教室の「あの子」⑫-

Posted By on 2015年1月8日

マイペースをさせていると、社会生活に適応できないのではないかと、
厳しく指導してあげないと、後々困るんではないかと、
教師は考えて、みんなに合わせさせようとがんばる。
良心的で、熱心なのだ。
この気持ちは教師として当然である。
でも、それで、子どもに厳しく接した結果、子どもの自己肯定感をなくしていくことがある。

もともと、学校は待てないところだ。
昔、テストをしたときに、45分間で1/3も書けていない子どもがいた。
そこで、一人だけ30分延長をした。それでも半分ちょっとしか書けない子どもだった。
しかし、採点したら、書いたところは全部あっていた。
こういう子どもがいる。
先生にすれば「30分も延長してあげた」という感覚。
それが、その子どもからすれば、きっと「30分しか延長してもらえなかった」ことなのだ。
時間は人によって違うのに、それが学校では通じない。
僕もそういう教師だった。

せめて、1時間の授業を複線化して、いくつかの別の時間がすごせるような時間を
少しでも作ってほしいなと思う。
みんなが同じ所に同じ時間で到達しなければならないという発想を少し崩してくれたら、
マイペースの子どもも
少しは、いやすい環境が作れるんだけど・・・。

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