「食う」は下品な言葉ではない

Posted By on 2013年7月24日

最近、高島俊男さんの「お言葉ですが」のシリーズにはまって

4冊目。

 

この方の切り口は独特で

言葉に関しての自分のいいかげんさを強く感じさせてくれる。

 

練る前に読んでいたら、

「『食う』の悲運」というコラムに心がとまる。

 

ここで詳しくは書かないが、

「食べる」はもともと丁寧な言葉なのだが、

今は、普通の言葉になったために、

それと連動して「食う」の地位が下がった、というのだ。

それが証拠に・・・と、昔から慣用語句は全て「食う」だと列挙された。

食いしんぼう・・・食べしんぼう?

食い倒れ・・・食べだおれ?

色気より食い気・・・色気より食べ気?

やせの大食い・・・やせの大食べ?

食い意地の張った・・・食べ意地の張った?

おまんまの食い上げ・・・おまんまの食べあげ?

食い物のうらみ・・・食べ物のうらみ

夫婦げんかは犬も食わぬ・・・夫婦げんかは犬も食べぬ?

食うや食わず・・・食べるや食べず?

同じ釜の飯を食った仲・・・同じ釜の飯を食べた仲?

 

こういうところが、僕がこの本の好きなところ。

言葉に対して厳格であり真摯な本で

「抽選」という言葉が、本来「抽籤」なのだということも

その言葉の変化の経過のコメントがなかなか秀逸だ。

 

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