親塾27の⑤作文が書けるために必要なこと

Posted By on 2013年7月23日

子ども達が「作文が苦手だ、書けない。」というとき、なぜそうなるのだと思いますか?

技術面と精神面の二つから考えていくべきでしょうね。

○ まず技術的には、文字がまとまった量、書けるということ。

書写するということも含めて、そこそこまとまって、文字を集中して書いたという経験の全くない子どもが、

作文を書きなさいといわれても、まず、量的に書けるはずがありません。

だから、学年に合った量にしなければいけませんが、

書写をするということが、手立てとして考えられます。

何かの丸写しでいいから、文を書き慣れるという活動が必要だと思っています。

そういう書き慣れもなしに、たくさんの文章が書けるはずもありません。


○ 先ほども例をあげましたが、何を書いたら良いか分からないんです。

これが、とても多い。

「お母さん」という題で書きなさいと言われたら、実は、書きにくいんですね。

「お母さん」の何を書いていいか分からない。

お母さんとけんかしたことを書いてもいいのかなあ。

お母さん、最近会話がないからなあ・・・、と、いろいろ思うんだけれども、書きにくいものなんです。


そういうとき、僕は、長い題名を使います。

たとえば、

「お母さんの怒り方は問題があると思います。」

というような長いタイトルにして書きなさいと言います。

すると、「そうそう、そうなんだよね」と、賛同して書く子どももいれば、

「いいえ。私のお母さんの怒り方は、とてもいいと思います。」

というように、どちらか考えがはっきりして書きやすくなります。

みなさん、どうですか?

「わが子」というテーマだったら、書きやすいですか?

案外難しいと思いませんか。

それが、

「わが子だけど、めんどうだなあと思ったことがある。」

というテーマで書きなさいと言われたら、どうですか?

「わたし、そういうときがあったなあ・・・」と、考えていく方もいらっしゃるだろうし、

「わたしは一度もそんなことを思ったことがありません。たとえば、こんなことがあったときでも、・・・」

というように、動き出すんです。

恩師の岡田崇先生が、おっしゃったことなんですが、

車のタイヤが溝にはまって抜け出せない時に、大勢で押してもうまくいかない。そんなときに、

「せーの!」

という掛け声をうまくかける人がいると、車は動き出す。

題名は、その掛け声とよく似ているとおっしゃいました。

そういうやり方もありですが、ご家庭ではなかなかそんな指導はできにくいですよね。


そして、先ほどヴィゴツキーの話のときにも出ましたが、

書きたいというモチベーションがあるかどうか、ということに、尽きるんですね。

いかにして書きたくなるようにするかが、最大のポイントなんです。

 

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