教室にトビーがいる

Posted By on 2011年7月5日

朝から事故のために電車のダイヤが混乱していた。子どもたちが遅れてパラパラとやってきた。(カラパラじゃないよ。)

子どもたちのロッカーを見て、全員が来ている事を確認してから、
「いない人、手を挙げて!」
と聞いた。

もちろん、だれもいない。

「そんなの、いなかったら、手なんか挙げられないよ。」
「ほんまや。いないのに手を挙げたら、幽霊や。」
「あっ。トビーや。」
「トビーや、こわー。」
「先生、トビーが教室にいるの?」
「うわあ。」
と、大騒ぎ。

トビーというのは、先週ストーリイテリングした「イギリスの霊媒の話」に出てきた、姿を見せない男の子の名前だ。姿を見せないまま、その家の男の子と遊び、一緒に霧の中へ去っていった霊媒の男の子である。

お話は、子どもたちの中で生きていく。

卒業生たちの多くと話をしていると、ボクに何かを教えてもらったことよりも、いくつかのお話のことばかりが出てくる。

どんな授業よりも、一つのお話の方が力がある、ということかも知れない。

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