授業研究
Posted By taga on 2021年12月17日
僕は年間、五十本以上の指導案を読む。
昔は手書きだから、
ぱっと見ただけでその先生の力量が分かった。
今は、活字になっているので
体裁は整っている。
じっくりと読まないと、その先生の力量、
意図するところ、展開の不自然さなどが分からない。
いくつかの学校では、僕がファシリテーターになって
授業の事後研をする。
まず最初にすることは、
指導案をじっくり読んで自分の思いを書いてもらうことだ。
ふだん忙しい先生方は、
前日に配られた指導案をじっくり読むことが少ない。
公開授業の直前や、授業中に、
参観しながら読むことが多い。
指導案に対する自分の考えをしっかりとまとめることはない。
だから、指導案を読んで感想をまとめて話し合いをする。
それから、本時の授業について考えるようにする。
ところが、水曜日の先生の指導案が
良く出来すぎていて、突っ込みどころがなかった。
これを読んだ先生方は、感心はするけど、
「なるほど」でおわってしまうなと思った。
そこで、今回は指導案の読み込みは止めて、
「優れた指導案だから、後で読んで勉強してください。」
と言った。
それで先生方に最初たずねたのは、
「本時の授業で課題としてあげられたことを
自分たちも考えてみましょう。」
ということだ。
「資料における筆者の工夫の一番優れていると思うものを一つ選びその工夫についてまとめる」
を各自でやっていただいて、グループで出し合った。
「難しい」という声がたくさん上がる。
そう。授業者の問いかけがいかにレベルの高いものであるかを
実感していただきたかったのだ。
授業は、やはりそこでつまずいていた。
授業者は見事に授業をコントロールしていた。
43人も五年生がいたら、
グループ学習するスペースがない。
でも、一斉の形態で子どもたちがほぼ全員、授業に向かっていた。
高い力量の先生のもとで、必死に考える子どもたち。
つまずきはもちろん解消されなかったけど、
いい授業を観たというのが実感だ。
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