隘路に陥る

Posted By on 2020年2月9日

人は時折隘路に陥る。
なぜかというと、年齢によってステージが変わるから。
三十代で求められることと四十代で求められることとは、
違ってくるのに、同じことを言っているから。
五十代では、どんな優秀な人間でも隘路に陥る。
自分のやっていることに自信が出てくることが
実は、隘路に陥る落とし穴になる。

隘路に入っている人間は、自分では気づけない。

僕は最近、ある方から
「執着してますよ」
と言われた。
「そんなことはない」と思ったが
それ以来、ずっと考え込んでいる。
僕は、この頃、他人を批判する気持ちが強くなりすぎていた。
愚痴や諦観が増えていた。
そう。僕も隘路に入り込んでいたということだ。
原因も考えた。
次のステージへの不安が大きいのだろう。

中一で亡くなった教え子が、
卒業式に車椅子で帽子を被って出席した。
僕は謝恩会で
「みんなに言いたいことは一つだけ。
一生懸命に生きてほしいということ。
みんなは幹人が病気で苦しんでいるのを知ってるよね。
でも、幹人が病気のことで文句言ったり愚痴を言ったりしているのを聞いたことはないでしょ。
一生懸命に生きるというのは、文句や愚痴を言わないことなんだよ。」
と語った。
その言葉が、今は自分にブーメランとなって返ってきている。
僕は、教え子の短い命の生き方に
向き合えるような生き方をしているのだろうかと。
隘路から抜け出すのは、自分でしかない。

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