愛するということ ③

Posted By on 2018年4月24日

愛のボタンも掛け違う
庭に小手毬の木が二つある。
13年前に頂いたものを植え替えたもので、毎年美しく咲き誇る。
一年生の担任を終わった春休みに
お母さんが持ってきて下さったものだ。
とても子ども思いのお母さんだった。
愛情の深い方だった。
子どももとてもお母さん思いで繊細な子どもだった。
だのに、ボタンを掛け違えてしまっていた。
僕が子どもから思いを聞き取って、懇談で語ったとき
ぽろぽろと涙をこぼしながら、でも、目をそむけずに聞いてくださった。
その日から、二人でボタンをかけ直した。
時間はかかったけれども、親子だから、大すき同士だから、
すてきな関係になっていった。
そのお礼に頂いたもの。
この木が咲く度に二人の笑顔を思い出す。

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