ベテラン教師の力
Posted By taga on 2016年1月20日
いろいろな学校へ行ったときに感じることは
ベテランの先生方の力がとても大きいということだ。
その先生方が横を向くか、研究の流に乗ってくださるかで
その学校の変化が大きく変わってくる。
ところが、ベテランは新しいと感じることには
どうしても抵抗感が生じる。
僕にもそういう面はあるから、否定しているわけではない。
それは「経験」というメガネを通してみようとするからだ。
自分の経験は、事実だし、子どもたちに対してしてきたことへの自信もある。
その経験上、うまくいったことが、本当は子どもにとってマイナスであったなどとは思えない。
そこに、落とし穴もある。
インクルーシブ教育と言われ、「合理的な配慮を要する児童」に配慮をしなければならない。
このことを理解していないベテランは、実はたくさんいる。
「障害者に対する差別の禁止及び合理的配慮の提供義務」ということは、どういうことなのか。
まだまだ、理解が浸透していないのは当たり前だ。
例えば、ADHDの子どもが問題行動をとったとき、
必要以上に怒鳴りつけたり、厳しく指導していくことが、合理的配慮だと言えるのだろうか。
そういうことを、一度考え直してみる必要がある。
「そうやって、びしっとさせてきた」
「経験上、そういう子どもでも、ちゃんとさせてきた」
と思う気持ちは分からないでもない。
僕は自分がそうしてきたからこそ、このことには真摯に向き合いたいと考えている。
今の現場のベテランのみなさんにも、
聞く耳を持ってほしい。
そのことが子どもを痛めつけて、将来においてゆがんでいくきっかけになるかも知れない
という視点を持たなければ、子どもたちを苦しめるだけに終わってしまうこともある。
ベテランたちが、そこに眼を開いたら、
本当に「合理的配慮の提供」のできる学校になるのだと思う。
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