言語姿勢を重視する
Posted By taga on 2014年10月25日
僕は国語の教室において、いつも言語姿勢というものを大切にしてきた。
言葉に対する姿勢、心構え、見方等を統合して「言語姿勢」と呼んでいる。この言葉をそのまま教室で使ったことはないが、いつも自分が意識していて、子どもたちの中に育んでいきたいものの一つであった。
言語姿勢のない教師は、教材研究が広まらないし、深まらない。
たとえば、教材文中に「介護」という言葉が出てきたとする。おそらく教師はほとんど全員が知っている言葉である。よく聞く言葉で、21世紀の日本社会における重要語句の一つだと言っても良いだろう。
しかし、知っていても、そこで一度辞書を引いて確かめようとするのが言語姿勢なのである。
少し古い辞典で調べると、「介護」は載っていない。「広辞苑」の旧版(第2版補訂版)には載っていない。
「えっ、どうして?」
と、新しい辞典を調べてみると、載っている。ちなみに、「三省堂広辞林」第5版は×。小学館大辞泉」は、〇。三省堂の例解国語辞典は、〇。もちろん「広辞苑」の現在出回っているものには載っている。
このように調べていくと、「介護」という言葉が、比較的新しく認知された言葉だということが、分かってくる。
「どんなことでも、ともかく一度、辞典を引いてみよう。」
という姿勢が、言葉に対する深まりを生むということだ。
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