学校教育を取り巻く現状

Posted By on 2014年5月30日

前日に引き続いて、文科省の報告から。

 

① 教員養成系の大学に入るハードルをあげるということ。

教員が「成りにくい高度専門職」になっていかないかという懸念がある。

僕は、教師は本来そういう高度な知識と意識を持つべきだと思っている。

でも、ただでさえ教師という仕事への魅力が減っている中

〔給与の削減、休暇のとりにくさ、クレーマーの増加、子どもたちの変化、体罰・いじめ問題、仕事の繁雑化・・・〕

大学へも入りにくくすると、

実質の数がなくなってしまう恐れがある。

運転免許さえあればなれる職業よりも、給与が少なくて、

「高度専門職」と言えるのだろうか。

 

今、教員は、完全に不足している。

正規の教員だけではけっして回らないので、

非常勤講師などでやりくりしているが

大阪などでは、絶対的に不足している。

昨日までフリーな服装でコンビニでアルバイトやっていた若い女の子に

免許持っているからとたのみこんで来てもらっている。

それでも、全然足りない現状。

 

教員免許状を持っている人が、朝、委員会に講師登録をしたら、

その日のうちに「明日からでも来てほしい。」という電話がかかってくる。

 

僕は、高度専門職としてのレベルアップをするなら、

教員の給料を年収平均一千万ぐらいに上げるべきだと思う。

給料を下げて、優秀な人材を確保することはできない。

日本は、「教師は金のことを言うな」体質があるが、

高度専門職である以上、報酬は増やすべきだと思う。

 

② スクールリーダーについて

従来の学校現場のスクールリーダーとは違った新しいリーダー像が求められる。

 

「学校現場が直面する諸課題について、構造的・総合的な理解を共有し、

自らの担当する教科・学年・学校種以外との関連を広く見据えながら

学校内や地域においてリーダーシップを発揮できることや

メンターとして若手教員の指導や相談にあたることが求められる。」

 

これを言い換えると、

「学校ではさまざまな問題がおこっている。

その一つ一つについて、

どうしてそうなるのかという根本的な問題を考える力があり、

学校や地域社会全体を見据えて理解し、

それぞれの担当者と一緒に考えることができる。

自分は授業や学級経営を率先垂範しながら、

校内や地域に目配りができる。

また、そこで指導的なアドバイスができる。

さらに、若手の指導もでき、相談にものってあげられる。」

ということになる。

理想像だから、この通りにみんながなれと言っているわけではないが、

まず、僕には無理。

僕の知っている範囲では、こんなことができる教師は

二人だけしかいない。

 

本当にそんな人が大勢育つことが、可能だろうか。

 

もう少し、分担して考えないと、いけないんじゃないだろうか。

それぞれのスペシャリストを養成して、

その連携を重視していくこと。

僕はそうあるべきだと思う。

 

 

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