東京都の新任研での話

Posted By on 2013年4月4日

東京都大田区の新任研で話したこと。

若い先生達には、必要なこともいくつか含まれているだろうから、

ここで、全てではないが、一部を示そう。

 

◆ ぼくはここ数年、毎年、新しい子どもたちと出会うときが不安でした。

自信満々で新学期に臨んだことなんて、長らくないんですよ、ほんとに。

昔は、自信があったんですよ。

何の根拠もなく、僕なら、なんとでもできると思っていました。

でも、ここ数年はちがっていました。

準備を怠るととんでもないことになるぞ、

いつも、そう思ってやってきました。

そのくらい、今、教師を取り巻く環境は過酷です。


● 30年前と、今のちがいを考えてみると、

教師を、ただ先生だというだけで尊敬してくれなくなったということが、一番大きいんです。

昔は、体罰も含めて、なんでもありでした。

子どもを叩いても、親が叩かれた子どもに対して

「先生に叩かれるなんて、恥知らずだ。」

なんて、子どもを叱ってくれました。

だから、親に怒られるのが怖いから、先生に叱られたことを黙っていたんです。

今は、子どもを叩かなくても、叱っただけで、親から電話がかかってくるような時代です。

子どもが家で

「今日、先生に叱られた。」

と言うと、今の親御さんは

、「なんで叱られたの」

とたずねます。

そして、その理由や叱り方が納得いかなかったら、学校に電話をかけてきます。

そういう時代なんです。

昔の先生たちは、学級経営なんてそんなに必死で考えなくても、なんとかなっていたんです。


● 教師につきつけられる難題

① グレーゾーンの子どもたちの存在

教師にさまざまな難題が、つきつけられるように、なりました。

グレーゾーンの子どもたち、特別支援の必要な子どもたちは、

昔は特殊学級という教室だけにおしこめられていました。

でも、今は、普通に教室に入ってきます。

そのことの良しあしは置いておいて、教室にいるんですよ。

それが、現実です。

そこにあげた ADHD LD  オーティズム  アスペルガーという言葉は、ご存知ですか。

オーティズムは、知らないかも知れませんね。

いわゆる自閉症のことをオーティズムと言います。

自閉症という言葉は、なんだか自ら心を閉ざす人みたいで、良くないでしょ。

だから、オーティズムという言葉を使おうということなんです。

5月からは、発達障碍を総じて「自閉症スペクトラム障碍」とよぶようになるそうです。

みなさんが教壇に立ったとき、教室では、

ADHDの子どもたちがうろつくこともあるし、

LDの子どもたちへの対応も必要です。

三十人のクラスを受け持ったら、

二人はアスペルガーやグレーゾーンと言われる子どもたちがいる可能性があります。

それに対応できるてだてを持たないと、その子達に振り回されてしまいます。

何も考えずにしゃべっても、

子どもたちが、教室で静かに座ってくれているとは、限らないのです。

というか、そんなことは、まずないと思っていてください。

 

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