どんな作文だったらOKなのかということ。

Posted By on 2013年2月18日

◆ 親塾18から、つづき

◆ 先ほども語りましたが、作家にしたいと思っている方は、

ほとんどいらっしゃらないでしょう。

おそらくみなさんは、子供らしくて、かつ、

その学年よりはちょっと上のレベルの作文が書けたらいいと思っていらっしゃるのでは、ありませんか。

ぜいたくな・・・。

実は、「うちの子は作文が苦手で」とおっしゃるおうちの方の多くは、

どんな作文が書けたら良いのかというイメージはないんですね。

難しいでしょ。こんな作文がいい、なんて。

それで、たまに文集などに乗っている優れた作文を見て、

「うちの子と大違いだわ。」なんて、思うんですね。

表現なんていくらへたくそでも、心は伝わるんですよ。

その一番良い例を紹介しましょう。

人に何かを伝えたいと思っても、表現する力がなければ、うまく伝わらない。

それはそうです。

しかし、たとえ表現はつたなくとも、強い思いがあれば、へたくそでも人に伝わることがあります。

野口英世のお母さんの手紙を読まれたことがありますか。 一部抜粋して読みます。


はやくきてくたされ。
はやくきてくたされ
はやくきてくたされ。
はやくきてくたされ。
いしよの(一生の)たのみて。ありまする
にし(西)さむいてわ。おかみ(拝み)。
ひかし(東)さむいてわおかみ。しております。
きた(北)さむいてわおかみおります。
みなみ(南)たむいてわおかんておりまする。
ついたち(一日)にわ しをたち(塩絶ち)をしております。
一部省略
はやくきてくたされ。いつくるトおせて(教えて)くたされ。これのへんちち(返事を)まちてをりまする。
ねてもねむられません

母親の子供への気持ち。

子供が大人になっても、持ち続けている強い愛情が伝わります。

文章はまちがいだらけで、むちゃくちゃです。

くっつきの助詞の「は」が、全て「わ」になっています。

「返事」という言葉が「へんちち」になっています。

それでも、強い思いが伝わってきます。


大切なのは、作文の技術よりも、強い思いだということですね。

だから、強い思いのないことを作文に書いても、

なんにも伝わってこないということです。

 

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