魁皇とともに終わり

Posted By on 2011年7月25日

僕の中で、相撲は終わった。

魁皇。

引退が決まったら、優しい顔に変わった。

横綱になれていたら、あれだけ勝ち星を重ねることはできなかっただろう。

小学校の頃、食堂をしていたうちの店に、大相撲の時間になると、人が集まった。

大鵬と柏戸の時代だった。

少年ジェットが見られなくなるから、あんまり相撲は好きじゃなかった。

中学のときに、貴乃花が登場。細い体で大きな力士をやっつける。ヒーローだった。

そのころ、早くして亡くなった玉の海が好きだった。

奥さんが玉の海を好きになった理由が、お弁当のふたについたご飯粒を先に食べたところだった。

人柄の表れた話。

続いて、千代の富士。

やはり小さな身体で大きな力士に向かっていった。

これもヒーローだった。

貴乃花の子どもたちが角界に入って、相撲バブルが起こった。

それなりに面白かった。

僕は、朝青龍は好きだったなあ。相撲界というわけのわからないしきたりを越えて、ただ強い。

行儀悪くても、強い。ガッツポーズの何が悪い。

僕は、朝青龍にあこがれる。自分もお利口ちゃんではないから。

学校というしきたりにはそぐわないと、ずっと思っていたから。

彼を追放して、八百長をごまかして、どう聞いてもおかしな話が多すぎる。

それが、礼儀を重んじるなどと言っても、納得いかない。

自分たちの間だけに通じる礼儀など、本当の礼儀ではない。

魁皇だけが、勿忘草だったような気がする。

彼が引退して、僕は相撲に興味を失った。

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