北村薫の文学性

Posted By on 2011年11月29日

「覆面作家シリーズ」や「円紫さんシリーズ」で知られている

北村薫さんが直木賞をとった「鷺と雪」を読んだ。

この作家の表現は、どこか文学性に拘泥したようなところがある。

「鷺と雪」は、戦前の子爵や公爵などの貴族社会を

世の中の情勢と巧みにからませながら、

別宮さん(ベッキーさん)という女性運転手のでしゃばらない推理をからませながら

描いている。

殺人だけが推理小説ではないと、思わされる。

ヴァンダインの推理小説理論にははずれるけどね。

秀作というのは、こういう話のことかも知れない。

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