親力 34 叱った後のフォローまで考える

Posted By on 2022年3月14日

※ 叱った後のフォローまで考える
 叱るのは良いとしても、叱りっぱなしはどうでしょうか?
 子どもを叱った後、しばらく子どもとは妙なストレスのある緊張関係になります。叱られた子どもは、しょんぼりもするだろうし、心の中ではむらむらと反発心が出てきているかも知れません。
 叱った親の側は、叱ってすぐに笑顔で接するのも難しいですね。
 一番やってはいけないのは、
「ちょっと言い過ぎたかも知れない、ごめんね。」
とか、
「そんなに落ち込むことはないよ。」
とかいったフォローを入れてしまうことです。
 叱ったことを後で親自身が反省してそれを子どもに伝えるぐらいなら、初めから叱らない方が良いと思います。
 叱られた子どもは落ち込んでいいのです。落ち込む中で自分の行為をふり返り、次の一歩を考えるようになるのです。
 叱ったことをブレてはいけません。覚悟を持って叱ったのですから。
 
 でも、フォローは必要です。
「愛の一家」(アグネス・ザッパー)という物語があります。児童文学の中でも「家庭教育物語」と呼んでも良いような名作です。
 その話の中で、六年生の時に読んで、今もずうっと心に残っているシーンがあります。
 貧しい中で生活をしていた一家には、家訓がありました。
「食べ物には、文句は言ってはならない。」
ということでしたが、幼い少年は、スープの味が薄いことを、つい、口にしてしまったのです。少年は家の外へ放り出されました。
 しばらく玄関の階段に座って落ち込んでいた少年のところへ、お母さんがやってきて、スープを差し出してこう言いました。
「お父さんがね
『お腹がすいたから反省したとなっては意味がない。食べ物は与えて、そのうえで反省するようにさせなさい。』
と言ったので、持ってきたよ。」
 少年は、スープを飲んで、決してこれからはそういうことを口にしないと誓うというような話だったと思います。
 僕が心に残っているのは、お腹がすいたからと反省しても、意味がないという点です。こういうのが、フォローなんじゃないかと思うのです。
 叱っても、愛情は注ぐというのがフォローなのです。

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