親力 ⑲
Posted By taga on 2022年2月27日
⑧ 保護力
子どもを護るのは、親の勤めです。子どもを護るために全力を尽くすのは、当たり前のことでもあります。
今、DV(児童虐待)で酷い目に合っている子どもたちがいます。心が痛みます。子どもにとって一番信頼して甘えるべき対象の親から虐待されるなんて、考えるだけでおぞましいものです。
DVで親から離された子どもたちの暮らす施設で二度ほど講演したことがあります。施設長の話によると、そこに暮らす子どもたちはブラックホールみたいなもので、若手の職員の多くは子どもとの距離を近づけすぎてブラックホールに引き込まれてしまって落ち込み、心が病んで職場を去ってしまうそうです。
子どもたちの闇は深いのです。保護されるべき立場の子どもが、その親から虐待されるということは、本当に厳しいことなのです。
これらは、例外です。
多くの親は、子どもを大切に護ろうとするのですが、そのやり方は様々です。
幼い時と思春期になった時と同じ護り方をしていたら、具合悪いでしょう。幼い頃の子どもは、何もかもが不完全で未熟です。大人が保護しなければ、たちどころに生命の危機まで起こりかねません。
一方、思春期にもなってきたら、子どもの体は大人に近づいてきます。心と体はまだまだアンバランスですが、親から離れようとし始めます。それが自然の流れです。そのときに、幼い頃のような保護の仕方をしていたら、どうなるでしょうか。反発してしまうならば、まだいいのですが、その保護の下に甘んじてしまうと、大人になり切れない人間ができてしまうことでしょう。
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