かっこいい姿

Posted By on 2016年8月24日

神戸大学を卒業した後
同じ年に退官された佐守信夫先生のお宅にうかがった。
書斎の片面は上から下まで本棚。
紅茶をいただいたが
佐守先生はご自分専用のミントンのカップ。
医学書の並ぶ本棚をバックに紅茶を嗅がれる姿を
なんだかとてもかっこいいと思った。

そのときの佐守先生と僕は同じ年齢になった。
書斎は作り付けの本棚で壁が埋まり
ミントンとジノリの専用カップも使っている。

でも、ああいうかっこよさは身についていない。
あれは、学問の深さが醸し出すかっこよさだった。
亡き恩師の後ろ姿は、いまだに遠くにある。
教育衛生学という特殊なゼミ。
生理学と教育の関連を考えたものだった。
それも僕の原点。
変な精神論に系統しないのは、
生理学的な考え方があるからだと思う。

自分には深さが足りない。
でも、今からの学びはこれまでと同じではいけないだろう。
悩むところだ。
ときどき浮かぶ恩師の後ろ姿が
僕を引っ張る。

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