思ったよりも好評で驚く

Posted By on 2016年6月9日

『多賀一郎の荒れない教室の作り方―「5年生11月問題」を乗り越える 』
これが、思ったよりも好調。
やはり、「荒れ」についての課題意識が高いということか。
この本はほんと、一ヶ月くらいで書き上げた。
僕が持ち続けている課題でもあったからだ。
その勢いが好調な原因かな。

  五年生が十一月に「荒れ」始める

 六年生ではなくて、なぜ五年生なのでしょうか。
「学級崩壊」の統計は全国レベルでは存在しません。理由ははっきりしています。何を指して「学級崩壊」とするかの基準が曖昧だからです。
 しかし、現場の感覚では六年生の方が多いのではないかというような気がします。僕が現場を回っていて感じるのは、五年生と六年生がとんとんぐらいですね、担任が休職するまで追い込まれたほどのものは。
 しかし、六年生が荒れると、学校全体の状態が悪くなります。だから、よけいに目立ってしまいます。また、五年生で荒れた場合は、六年生でテコ入れすることも可能なので、六年生で荒れる場合よりも、学校のとらえとしては強くないのではないでしょうか。
 文科省は学級崩壊について、「どこでもあるとは言えない」と言っていますが、僕はどこでもあるのが、今の学校現場の実態だととらえています。

 もう一度言いますが、では、なぜ五年生についてこの本で特に取り上げるのでしょうか。
 僕の友人たちとの会話で以前から言われ続けているのが
「五年生の十一月は危ない」
ということです。
 だいたい教室の荒れがピークを迎えるのは、六月、十一月、二月だとも言われていますが、中でも十一月は一番荒れる可能性が高いものだと考えています。その理由は本文で述べていきます。
 そして、もう一つ考えておきたいのは、五年生からなら、立て直すことができるということです。というか、立て直さないといけないということです。六年生が荒れたなら、「なんとか卒業まで・・・」という発想で学校としてはやっていきます。五年生は、そうはいきません。次年度には、その子たちが六年生になって、学校の中心になるのですから。五年生でなんとか立て直そう、その前提でこの本を書いています。

さて、「荒れ」とは何かを考えてみましょう。「学級崩壊」という言葉を使わずに、「荒れ」という言葉を使うのは、先ほどから書いているように「学級崩壊」という言葉の定義があいまいであるからと、「荒れ」という言葉の方が広い範囲の子どもの状態を示すからです。
「荒れ」とは、子ども達を教師がコントロールできなくなること、話を聞いてもらえなくなること、子どもたちが学校や学級の秩序やルールを無視し、好き勝手に生活していることなどがあげられます。先生の注意は通らないし、授業も落ち着いてできなくなり、ひどいときは無法地帯のようになってしまうことです。

 この「荒れ」が、五年生の十一月に一つのピークを迎えやすいということです。
 本書では、五年生で十一月に顕在化する理由とその予防法、対処法などを示しています。予防法や対処法は、五年生だけでなく、どの学年においても同じように考えることができると思います。
もちろん、「荒れ」に対する絶対的な方法等と言うものは存在しませんが、どの学校、どんなクラスでも起こり得る「荒れ」ですから、これを参考にして自分なりのてだてを考えることはできると思います。

 公立学校へもたくさん指導に行き、「荒れ」が厳しい現実であることを痛感しています。何か悩まれる先生方へのメッセージを届けられればと、本書をまとめました。

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