◆ きょうの一冊 【44】

Posted By on 2014年5月22日

 

「てん」

ピーター・レイノルズ

訳 谷川俊太郎

 

お絵かきの苦手な主人公のワシテ。

考えてもなんにも浮かんできません。苦し紛れに小さな点をひとつかきました。

それに先生が名前を書くように言います。そして、額に入れてかざってしまうのです。

ここから、ワシテの考え方が少しずつ変わり始めます。

たった一つの点が、大きな発想へとつながっていく、それは、人の心の変化なのです。

この本のカバーには、「世の図画ぎらいを元気づける本」と書いてありますが、絵のことに限りません。

作文を書かせるとき、ひとことで子供が毎日書き続けるようになった経験があります。

また一方で、2年間書き続けていた子どもの作文をひとことでつぶしてしまった教師も見ました。

たった一言が、どんなに人の人生を豊かにかえていくのか。「てん」は、そういうことも示唆してくれているようです。

 

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