文章の格

Posted By on 2013年6月8日

家内が村上春樹を読んでいた。

「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」

 

「村上春樹を読むと、他の作家にはない格調みたいなものがあって、

この人の文章は格が違う。」そうだ。

その後、格調ある文章の作家の話になったが、

やはり、志賀直哉と井上靖というところに落ち着く。

 

僕は、実は、村上春樹は、「アンダーグラウンド」と英語のエッセイしか読んだことがない。

翻訳は別だけど。

どうも、僕には合わないので・・・。

しかも、大作家になってしまうと、よけいに僕の偏屈なところが出てきて、

読めなくなってしまった。

 

でも、それだけでも、格調は分かる。

「何が」と言われると評論家のような説明はできないが、

鮮明なものは、はっきりと、ぼやかしたものは、ほんのりと、

そんな感じかなあ。

 

格調とは、決してお高くとまっているようなことではない。

志賀直哉なんて、内容的には大した文学じゃないのに、

評価が高いのは、あの文章の持つ格のせいかも知れない。

 

 

 

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