みすずコスモス

Posted By on 2013年3月14日

「みすずコスモス」矢崎節夫

この本を大阪の親塾で読んだ。

 

矢崎さんは、金子みすずを発掘した方だ。

執念のように十何年もかけて金子みすずの作品を探し歩き、

ついに見つけ出した。

 

矢崎さんは、みすずの詩に自分の世界を重ねる。

そこには、みすずワールドの解釈があり

矢崎ワールドがある。

それが心地よい。

 

阪神大震災で耳の不自由な両親の耳代わりの小学生の少女

配給の声等の情報はは彼女だけに聞こえ、

その度に飛び出していく少女。

その両親のインタヴィューは手話で話す両親の言葉をその少女が語る。

 

「この子は命の恩人です」

と言う両親の言葉は

涙にあふれるその少女の口から出ている。

そんなすてきな話を矢崎さんは金子みすずの世界とつなげていく。

 

「好き嫌いをしてはいけないと言われると

私のような人は困ります。

好き嫌いは、人の部分を見てする行為です。

その人の全体を否定する行為ではありません。・・・」

「空の鯉」というみすずの詩から

矢崎さんは、こういうやさしさを導き出す。

 

僕は、年に何回かこの本を読む。

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