これって、ウソ?ホント?

Posted By on 2012年11月10日

前々回の親塾で話した「これって、ウソ?ホント?」の内容を

東風の会で話した。

「多賀さんらしいうがった味方でおもしろい。」

と、山本隆三先生に言われた。

その言葉が、気に入った。

この内容は、動画でアップもしていないので、

いくつかを書いていきたい。


① 「悪い友だちとつきあうと、悪くなる」

この言葉は、懇談していると、ときどき、お母さんたちがおっしゃる言葉です。

この言葉の裏には、ご自分のお子さんは悪くないという意味が含まれているんですね

自然な親の感覚ですから、そのこと自体を僕は否定しませんが、

口に出されると、少し格好悪い言葉かもしれませんね。

まず、「悪い友だち」って、どんな友だちのことでしょうか。

不良ですか。

ドラッグを薦める友だちは、確かに「悪い友だち」かも知れません。

すると、レディー・ガガも、良くないということになりますね。

 

ともかく、万引きや恐喝などの犯罪の仲間に引き込む友だちは、

確かに「悪い友だち」でしょう。

でもね、この「悪い」というのは、とっても主観的なんです。

僕のことですが、小学校の同窓会したら、友だちから、よく

「お前は悪かったなあ。」

って、言われるんです。

 

だからといって、僕は、万引きや恐喝はしたことがありません。

近所の木に登って、びわの実は盗んで食べたことはありましたが・・・。

暴力は奮いませんでした。

まあ、小学校二年生の先生に懇談で

「私はこの子のめんどうは見切れません。」

と言われたらしいですから、やっぱり悪かったのかも知れません。

小学校の時の僕が、わが子のクラスにいたら、

みなさんは、

「あんな子とつきあってはいけません。」

と、おっしゃったかも知れませんね。

何が言いたいかというと、「悪い子」の基準はどこにあるのか、ということと、

子どもは成長するにつれて、変わっていくということを頭においてほしいということです。

「悪い友だちとつきあうな」

と言うことは、そういう幅を持った人間とのつきあいを疎外してしまいかねません。


そして、もっと大切な事は、自分の子どもは「悪い友だち」の一人ではないのか、ということです。

「Birds of a feather flock together.」

言い換えると、「類は友を呼ぶ」という言葉です。

自分の雰囲気が、同じようなにおいのする友人たちを引きつけるということも、あります。

「悪い子とつきあうから、悪くなっていく」

のではなくて、そういう悪い人間性を身に付けているから、

それに応じた友人ができてくるのではないか、ということなのです。

逆なんですね。

では、どうしても離さなければならないというほど「悪い友だち」、

例えば、犯罪に手を染めそうなグループから離そうとすると、

どう言えば、良いのでしょうか。

これは、難しいんですよ。

子どもは必ず友だちの悪口を言う親に、反発しますからね。

中途半端な覚悟ではできませんよ。

友だちとは楽しいからつきあっているし、

何か自分にとって大切だからこそ、一緒にいたいのですから、

それを引き離すというのは、とっても理不尽なことなんですね。

間違いなく、親子関係を損ねます。

僕が母との関係を損ねたきっかけは、僕の友だちを差別して、

「あの子はいいが、この子はだめ」というように、

親の考えで友だちを決めていこうとしたことでした。

絶対にその人間とはこの子をつきあわせてはいけない

と、確信したときだけしか、してはいけません。

たとえ親子関係を損ねようとも、親の人生をかけてでもとめなければならないというときだけしか、

「あいつとつきあうな」は、言ってはいけないし、

学校を辞めさせてでもつきあわせないぞという覚悟がないと、できません。

するときは、覚悟を持つということですよ。


はい、一つ目は、ウソということになりますね。

 

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