教師二元論 ②

Posted By on 2022年6月20日

② GTОと金八先生

 「金八先生」武田鉄也
 思春期の子どもの大きな問題をセンセーショナルに取り上げたのが、「金八先生」でした。シンナー、徘徊、妊娠、校内暴力など、これまで触れられていなかっただけで、実際には各地の学校で進行していた諸問題を、クローズアップしました。
 初期の金八先生は、まだ、教師としての力を発揮できていました。
しかし、しだいに、教師一人、いや、教師集団の力でも、どうにもならないようになってきます。後期の金八先生のトーンが暗いものになっていったと感じるのは、気のせいでしょうか。

 「GTО」反町隆、アキラ
 
 元暴走族のヤンキー先生。いわゆる暴力教師ですが、自分の生徒には手を出さないというスタンスは、はっきりしています。
 昨今の体罰問題の根底には、こうした「圧倒的な暴力を子どものために使う」ヒーロー教師を求める思いがあるのだと思います。虐げられている子ども、いじめられている子ども、そうした子どもたちのために、ばしっと暴力で悪をぶっとばしてくれるスーパーマンのようなヒーロー教師像ですね。
 現実にはあり得ない教師です。

③ 強い女性教師
「ごくせん」仲間由紀恵
現役やくざ一家の親分の娘。自分の教え子のために、圧倒的な暴力を奮ってさまざまな問題を解決してしまう。これも、スーパーヒーロータイプです。
ふだんはさえないけれども、
ジャージは毎回新しいファッショナブルなものに変えていて、
女性らしさもかいま見えます。
しかし、
色気は全くないというのが、コンセプトですね。

「女王の教室」天海祐希
 心理的に子どもをコントロールしていく冷たい女教師。最初はそう描かれていましたが、本当は子どもたちのことを最も真剣に考えていた教師でした。子どもたちを洗脳していく過程が不気味で、当時の管理教育の在り方とシンクロするところがありました。

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