那須備術先生

Posted By on 2019年6月28日

奥様からの封書に「まさか」と思ったが、
現実だった。
今年は年賀もなく、関東地区の集まりでも連絡取れないと話題になっていたから
覚悟はしていたのだけれど。
89才は大往生だけど。
だけど・・・。
那須先生との出会いは、一本の電話だった。
「多賀先生、日本作文の会で阪神大震災の特集を組むので、先生の学級通信からとらせていただいていいですか?」
丁寧なお電話だった。
那須先生が通信から選ばれたのは、
僕自身が書いたところだった。
教師自身が書くということに意味があるとおっしゃった。
それから、折に触れて交流があり、たくさんの教えをいただいた。
誰に対しても同じ姿勢の方だった。
「僕は、無茶なわがままを言う子どもは、好きじゃない。」と、はっきりおっしゃった。
しゅっとしていて格好よくて、あこがれの先生だった。
僕が甲南を辞めるということを聞かれて、
神戸まで成城の小林さんとすっとんできてくださった。
そして、僕の話を聞いて
「そういうことなら、応援するよ。」
と笑ってくださった。
ありがたかった。
湘南からすぐに来て下さったことに、心が震えた。
奥様が手書きで三枚の便せんにしたためられたことが、
那須先生のお人柄を表しているような気がする。
ご冥福をお祈りします。

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