『孫子に学ぶ教育の極意』

Posted By on 2018年7月14日

この本は、書いていて学ぶことが多かった。
教育というものを孫子の兵法という視点からに読み解いていくと
新たな学びと言うものもいくつかあった。
自分では価値のある一冊になったと思っている。
一部紹介する。
「① 教育とつながる孫子の精神
戦わずに勝つ

      「百戦百勝ハ善ノ善ナルモノニアラズ」

 「孫子」では戦わずに勝つことを最善の策と考えていました。
百回戦って百回勝ったとしても得策ではない、戦わないで敵を降伏させることこそが一番なのではないかと問いかけています。
 若い教師はすぐに戦いたがるものです。
僕自身がそうでしたから、あまり偉そうには申せませんが、勝負して勝つことに酔ってしまうのです。

 ある若手の教師が個人面談から職員室に戻ってきました。そして、こう言い放ちました。
「ばっちり言いたいことを言ってやりました。親はぐうの音も出ませんでしたよ。すっきりしました。」
子どもの問題行動について、保護者に具体例を突き付けてぼろくそにけなしたのです。
彼の顔には勝利の喜びが浮かんでいました。

 僕はそれを聞きながら恐ろしくなりました。その後のことを考えてしまったのです。
 懇談から帰った保護者は、わが子にどんな対応をしたのでしょうか?落ち着いてじっくりと語り合えたのでしょうか?
その子どもは立ち直るきっかけを持つことができたのでしょうか?
 確かなことは分かりませんが、完膚なきまでに保護者をやっつけてしまって、
その結果が良かった等ということは、僕には一度もありませんでした。
 若い頃は、保護者になめられたくないという気持ちが強いものです。
よけいな戦いを挑んで勝とうとする気持ちが強くなるのはよく分かります。
けれども、保護者と戦うことで教育者としてプラスになることは何一つないのです。
(ただし、強烈なモンスター・ペアラントについては、戦うべきときもあります。)先生への恨みだけが残るかも知れません。

 では、どうすれば戦わずに勝てるのでしょうか。具体的には第三章の「対保護者」のところで述べることにします。

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