今日は、1月17日
Posted By taga on 2018年1月17日
阪神大震災から23年目。
この日はいろいろなことをリセットする日。
忘れかけていた大切なことを
思い出させてくれる。
仙台の絵本の会で話したこと。
※ 物を失うことも、つらいことである。
物には人の思いがくっついている。
思い出のかほりがする。
僕の場合、自分の大好きな街が消えていたことのショックは、想像以上だった。
いつも目標にしていた建物が無くなるだけでも寂しいのに、何もかも無くなってしまうと、その辛さは半端ではない。
震災後しばらくして、一人のお母さんが学校にたずねてこられた。
その頃は、午前中だけ授業で、昼からは子どもたちはいなかった。
よくお母さんたちがふらっと訪ねてこられて、
「多賀先生、いいですか。」
と、僕と話をして帰られることがあった。
みんな不安で辛くて、心に風が吹いたようなときだったから、お母さんたちも「吐き出す」必要があった。
そのとき、おうちをいよいよ建て替えることになり、取り壊すことになった、というお話をされた。
全壊の家に入るだけでも危険だった。
「先生、久しぶりに玄関の戸を開けたら、目の前に、二枚のタイルが置いてありました。
いつの間に書いたのか知らなかったのですが、そこに子どもたちがマジックで
『おうちさん、今までありがとう。』『また、いっしょに遊ぼうね。』
と、書いていました。」
最後は涙で言葉にならなかった。
物を失うことも、辛いことである。
心の宝物にしたいようなエピソードですね。これを他の人の前で話せるようになるには、私なら相当な年月を要しそうです。口に出すだけで込み上げてきそうで。子どものはもちろん、親御さんが家を大事にし、部屋のここそこに思い出を作ったからだと思いました。
くだらない話ですが我が家も五年前に築20年近くなる戸建てを買って、多少なりとも不満があり、リフォームの夢を持つわけですが、我が子にとってはもはやかけがえのない場所になりつつあるのだろうと、もっと今ある物を大事にしようと思わせられました。
我が家の新聞には、震災の記事が前日16日の中面に小さく載っているだけでした。
だんだんと母親教師になってきましたね。
子を育てながらの教師業は、我が子から学ぶものが多く、その良さ感じます。成長段階における特徴など。
18日の新聞には沢山の震災関連の記事が載りました。また、NHKで震災遺児のその後をやっており、考えさせられました。
多賀先生は入院もなさったようですね。ショッキングでした。呉々もご無理をなさらず。