「土人」という言葉の投げかけるもの

Posted By on 2016年10月24日

沖縄での「土人」発言事件。
言葉そのものの怖さをまず感じる。
発言した警官は、おそらく大して考えずに言ったのだろうと思っている。
大阪の警官が沖縄に対して差別意識を持っているとは、考え難い。
関西の厳しい地域において、
「おまえら、なにやっとんどい。」
「どかんかい、こら。」
等というような言葉は、当たり前のように使われる。
「みなさん、何をしているんですか。」
「ちょっとそこは、どいてください。」
等とは絶対に言わない。

その警官たちは、なんにも知らないのだろう。
沖縄の人たちの歴史も思いも。
しかし、言葉は怖い。
言葉には歴史がある。
背景がある。
「不適切だ」ではおさまらない。

日本軍が沖縄に駐留していた時、沖縄の人たちを差別した歴史がある。
日本軍のいた地域だけ、住民が大勢亡くなっている。
東北出身の兵士たちだけは沖縄の人たちを馬鹿にしなかった。
それは、東北弁の兵士たちが、軍隊の中では差別されていたこととも関連している。
県別の慰霊塔の中で、沖縄の人たちがお金を出して立てたのは東北の兵士たちのものだけだという。

そんなことを知っていたら「土人」などという言葉は使わない。
知らないからだ。
知らないことは、人を侮蔑することになる。
知らなければ人を傷つけることがある。
だから、どんな人間も「知ること」の大切さを意識しなければならない。

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