『教師のための力量形成の深層』

Posted By on 2016年4月24日

またまた、言いたい放題の本を
出してしまった。
自画自賛の本。
僕と堀裕嗣の二人でないと、ここまでは書かないだろう。
書けないだろう。

著者が読み返してこんなに面白いと思う本はめったにない。

書く年代別の力量形成の在り方を
二人でそれぞれ書いている。
自分の年代から読み始めても良いだろう。

前書きを少し。

はじめに
 堀裕嗣×多賀一郎の『深層シリーズ』第三弾です。
 今回が一番すらすらと書けたような気がします。それは、僕らがこういう形の本の作り方に習熟してきたことと、今回のテーマが語りやすいものであったということなのでしょう。
 いやあ、面白い本ができたと自画自賛したい出来ですよ。

「教師の力量形成」という言葉はよく使われる言葉ですが、「力量」とは何のことでしょうか。いろいろとご意見はあるでしょうが、僕は山を築いていくようなものだと思っています。
 教師は、若い頃はいろいろな先輩方を目標として切磋琢磨します、目標とする教師に追いつきたい、あわよくば追い越したいと願いながら。 しかし、そうやって実践をある程度積み重ねてきたときに、ふと立ち止まって、自分の足跡を振り返って気づくのです、
「ああ、自分は、自分の山を築いてきたのだなあ」
と。
 教師はひとりひとりが自分の山を築いていくのです。ある教師は学級づくりを中心とし、ある教師は一つの教科で自分のスタイルを確立し、ある教師は特別活動の実践家として名をはせ・・・。みんな自分だけの山を築いていくのです。その山の大きさが「力量」だと思います。大きさも質も全て違っている自分に合った自分だけの山です。
 
 この本では、20代、30代、40代、50代、それぞれにおける力量形成の在り方について、堀さんと僕がそれぞれまとめています。堀さんは、これから50代に入っていくわけですから、未知の世界について語るということになります。
 この中で我々の語っていることには、その世代の先生方にとって耳の痛い話もたくさんあると思います。別にご意見番として上からものを言うつもりは全くありません。
 僕の場合は自分の経験と回りの先生達の生き方を見つめてきた総括として書いています。
 堀さんの場合は、あの鋭い眼力で気持ちよくズバッと言い放っているという感じですね。(笑)
 それぞれの世代別に二人の書いたことを読み比べても面白いし、僕、堀さんそれぞれの考えの流れを20代~50代にかけて読み通すと、また違った読みとり方ができると思います。
 僕自身は、激動の50代をぜひとも読んでいただきたいと思っています。

 続いて、「読書術」と「手帖術」というジャンルで書いています。同じようなタイトルで堀さんが編集した『THE教師力』シリーズ(明治図書)の本があり、二人とも小稿を寄せていますが、それとは全く違った視点、「教師の力量形成につながる」という視点で今回は書いています。
 読書の質が大切だと言うことが、二人の話から読み取れることでしょう。
 一読して全て分かってしまうような教育書は教育書に値しないと思いますし、教育書だけしか読まなければ力量形成の読書にはならないとも考えています。
 僕も堀さんも読書を通じて自分を広げてきたし、結局、その部分において話のできることが、二人がこのような本を出し続けることの出来る源になっているように思います。
 また、手帖術として、どうして僕らが速いサイクルで著書を書き続けることができるのか(とは言うものの、最近の堀さんのペースにはついていけないですが・・・笑)ということも、示せたのではないかなと思っています。

 僕らは『深層シリーズ』を通して、もっともっと歯に衣着せぬ物言いをしていこうと思っています。そして、それに対して、さらなる議論を僕たちに返してくださることを切に願います。

2016年 春
多賀 一郎

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