僕の話 -教室の「あの子」④―
Posted By taga on 2014年12月25日
僕の通知表には、著書にも書いているが、本当に毎年、
「落ち着きがない」
と、書かれていた。
よほど落ち着きがない限り、こんなことは書かれないだろうに。
三学期になると、
「かなり落ち着いてきました」
となる。でも、次の年の1学期には、また
「落ち着きがない」。
たぶん、担任が慣れてくるだけだったんだろう。
今思えば、教室で落ち着きがないと言われている子どもたちに、
僕は近かったのではないだろうかと思う。
幼児期に、児童相談所へ連れて行かれた。
なぜ、そこへ連れて行かれたか。そのことが、問題である。
「ずっとおしゃべりをして、おしゃべりがとまらない」
からだそうだ。
小学校当時を振り返ると、僕自身は落ち着きがないという感覚は全くなかった。
自然にふるまっていただけだと思う。
ただし、授業中がとてもつまらなくて、退屈して、いろんなことをしていた。
授業に集中したという記憶は全くなかった。
常に鉛筆の後ろをかんでいて、ぼろぼろ。
教科書のはしっこをちぎって食べる癖も、ひどかった。
それは、家でも同じ。
僕の古い本は、ほとんど端っこが破れている。
神経症だったのだろう。貧乏ゆすりもよくしていた。
二年生の担任からは、
「私はこの子の面倒は見られません。」
と、言われたそうだ。
母は、どういう気持ちで聞いていたのだろうか。
「落ち着きがない」「ちょろちょろしている」「一言、多い」
というのが、大人が僕を評するときによく使う言葉だった。
今だと、「多動」だとか「AD/HD」だとか、言われるのだろうか。
そういうように呼ばれる子どもたちの中に、
僕の子ども時代を彷彿とさせる子どもたちが、たくさんいる。
すぐに机に上がったり、ずうっと何かの手作業をし続ける子。
今やっているものを取り上げても、再び何かを始めてしまう子。
授業には、全く参加していないと言うこともなく、時々参加してくる子。
いるでしょぅ、こういう子どもたち。
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