ごんは小ぎつね

Posted By on 2014年10月20日

若手が四年生の「ごんぎつね」で人物設定をしていた。

 

「ごんが子どものきつねだと思うひとは?」

とたずねるとねほとんどの子どもたちが手を挙げた。

「この『小ぎつね』という字に注目してください。」

子ども「ほんとだ、子どもじゃないんだ。」

「小さい大人のきつねということなんですね。」

 

ここで終わったら、なんのために「小」をおさえたのかが、分からなくなる。

四年生である。

子ども達に教えなければならないことがあるのだ。

 

僕はこう言ってきた。

「同じことをしても年齢によって意味が変わります。

君たち四年生なら叱られることでも、幼稚園の子がしたら、笑ってすませてもらえることってあるでしょう。

例えば、幼稚園の子どもが素っ裸で走り回っても、注意されるけど、大したことじゃない。

君たちだったら『四年生にもなって、何をやってるんだ』と、叱られるだろうね。

もしも、先生がそれをやったら、どうなると思うかな?

軽犯罪として警察につかまります。そして、学校もクビになります。

つまり、同じことをしても、年齢によってその意味が変わるということです。

ごんが子どもじゃないということは、大切なことです。

それを頭において、読んでいきましょう。」

 

こういう指導がなされなければならない。

これは、文学を読み解いていく上での、視点の一つである。

子ども達は常に主人公と同化して読んでいこうとする傾向化ある。

そうすると、登場人物の人物設定と微妙にちがってくることがあるのだ。

 

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