マニュアル敬語・・・2005年のまとめから

Posted By on 2014年5月16日

―マニュアル敬語―

コンビニやファミレスでよく耳にする、丁寧なのに、どこかおかしい敬語のこと。「コンファミ語」や「バイト語」とも呼ばれる。

● ファミレス編

「お名前、いただけますか」

「ご注文は以上でよかったでしょうか」

「こちら~になります」

「私的には、こちらがおすすめです」

曖昧な表現を好むのは、マニュアル敬

語の常套手段。

「コロッケにソースをかけてあげてください。」

「メニューを下げてもらっていいですか。」

正しくは、「お下げしてもいいですか。」

● コンビニ編

「1万円からお預かりします。」

「から」はいらない。

「お弁当のほう、温めますか。」

ふたつあるものを「―のほう」というなら、分かる。

「以上の説明でおわかりになりましたか。」

「いかがでしょうか」「ご納得いただけましたか」なら、正解。

「店長は、本日、お休みです。」

身内に敬語は使わない。

◆ 賛成(?)意見から

「自分たちの感覚にあった言葉を生み出す力、感心します。」

「彼らの力が時代を変えていく。せめてそれを面白がる心の柔らかさを持っていたいですね。」       俵  万智 (俳人)

「日本語のグローバル化で、敬語も簡略化されるのでは?」

「ファストフード店で正しい敬語を求めるのは、銀のフォークを出せと言っているようなものです。」  平田 オリザ(演出家)

◆ 否定意見から

「符丁以前に、正しい言葉や敬語を使えないことが問題。」

「大事なのは、幼児期の基幹言語。人となりや品格を形成するこの時期に、親の責任は大です。」        林 望(作家)

 

「相手に「不快、不安、不明」な印象を与えてしまいます。」

「使っている人たちに尋ねると、『ちゃんと言えてる』と答える。自覚がないことが問題です。」小林作都子(マナーコンサルタント)

・・・雑誌「クロワッサン」(2005年6月10日号)より


● 敬語とはいうものの、こうした言葉には、敬語だけでなく、現代の若者の使う言葉に共通する感覚があります。

賛成意見の方は、全面的に賛成しているのではなく、違和感もあるが容認しているという立場のようです。

批判だけでなく、少し柔らかくみましょう、という考えもあります。

僕的には、不快感があるので、こういう言葉は好きではありません。

しかし、自分が完璧な言葉を使っているという自信もありません。

その自信のなさが「・・・的には」と、言い切るべきときに言い切れない表現をうんでいるのでしょう。

マニュアル言葉には、そういう現代人の不安感が反映しているような気がします。

言葉は、時と場所と相手によって使われ方も変化するものだと思います。

特に大切なのは、使う時の態度です。

思いをこめて言葉を発し、その思いにふれて心が和み、

同じ思いで返信するようなコミュニケーションができたら素晴らしいでしょう。

 

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