「愛と勇気の力」で語ったこと

Posted By on 2014年5月14日

最近、フェイスブックでは、

ブログの記事をあまりアップしていない。

なんだか、「いいね」に疲れたのと、

ここにわざわざ見に来て下さる方に向けて書きたいなと思っているから。

絶対に向こうにはアップしないなどと決めているわけではない。

もっとゆるゆるで、なんとなくここだけにしたいって、感じかな。

 

「愛と勇気の力」で最後に話したことは、

フェイスブックに書き込んだ。

でも、ここには、もう少し詳しく書こうと思う。

こういうの書くと、

「俺はそんなこと感じたこともない」

って言う教え子が、出てくるかも知れないが、

僕の思いは事実なので、書く。

 

◆ 僕の話をします。

なんにもしてやれなかった子どもたちの話です。

今から25年前、とんでもない学年を担任しました。

必死でやりましたが、子ども達は荒れ、他の先生たちに迷惑をかけっぱなし。

毎日、他の先生たちに謝っていました。僕の授業ではそんなことはなかったのですが、

他の先生たちの授業になると、逆らう、聞かない、文句を言うという連中でした。

今、いろんなところで

「担任の前だけきちんとしていても、学級としてはだめだ」

というカリスマ教師たちの話を聞くたびに、心がちくちくするんです。

ああ、僕はできなかったなあって。

全然だめでした。

 

でも、僕はこの子たちが大好きで、心から愛したと自信を持って言えます。

胃が痛くていつもお腹を押さえていました。

毎朝、血尿が出ていて、トイレが真っ赤になりました。

「君たちが卒業したら入院する。」と言い続けていましたが、

彼らが卒業したとたんに、すっと治りました。

彼らのせいだったみたいです。

卒業後も、いろんな方向へ行って、

四半世紀、彼らのいろんな人生を見てきました。

その子たちが三十を超えてから、毎年、集まります。

僕もいつも呼ばれるので、お金を出そうとすると、

「先生、子どもが一人前になって、親に金を出させたりしませんよ。」

と言って、受け取りません。

医学部に入学し直した子に、

「お前な。検査の数字だけで患者を触診もしないような医者になるなよ。」

と言ったら、

「何言ってんの。先生、おれ、多賀先生の教え子やで。そんなわけないやん。」

と言いました。

ちょっとうるうるさせる奴らばかりです。

 

彼らは、愛を知っています。愛のある人生を歩いています。

愛を教えたとは言いませんが、

多くの子どもは僕が彼らを愛していることを充分に知っていると思っています。

一人一人の子どもを愛しきるということ、

僕はそれがもっとも教師として大切なことだと思っています。

 

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