千の風

Posted By on 2013年11月25日

僕は母親と仲が悪かった。

考え方が違っていた。

母は差別的で、僕の友人たちも差別した。

だから、ずっと折り合わなかった。

よくケンカして、家族にも迷惑をかけた。

 

とても立派な孝行息子ではなかった。

反発ばかりで・・・。

そうしなければ、強いパワーの母とは、やっていけなかっただろう。

 

僕が子どもたちに「親に感謝しなさい」と言えなかったのは、

そのこともあったからかも知れない。

 

ところが、この前、車の中で「千の風になって」を聞いていた時、

急に何かを感じてしまった。

なんだろう。

母の思いを感じたような気がした。

変な実感があって、不思議な気分だった。

ああ、僕もついにユングの世界に入ったか、なんて思っていた。

 

それ以来、風の音、鳥の声が何かを語りかけているように感じる。

言葉ではなくて、感覚。

犬を連れた散歩の時。

車でちょっと出かけたとき。

母がずっと僕を見守っているような、そんな気がした。

悔しいんだけど、自然とそう思えてしまう。

いやなんだけれど、ほっとしてしまう。

 

年とったのかなあ。

 

 

 

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