言えないことがたくさんある

Posted By on 2011年8月9日

震災の後、立ち直っていくときには、さまざまなことが起こる。

きれいごとだけでは、すまない。

決して報道できないようなこともある。

 

避難所から仮設住宅に出て行くとき、神戸では、

ほとんどの方が、そっと出て行かれた。

役所の方では、すぐに困るだろうから、バケツやほうき等のおそうじセットを用意していた。

でも、渡せないことも多かった。

なぜそっと出て行くかというと、それなりにコミュニティとなっていた避難所から出て行くことが後ろめたいからだ。

誰かが非難するわけではないのに・・・。

 

避難している方が、全て心ある人たちばかりではない。

人間の矜持のある方と、その薄い方がいらっしゃる。

避難所になっている学校の先生達が、そんなことを口にできるはずがない。

 

言えない思いを抱いて、みちのくで人々が暮らしている。

だから、どこかで吐き出してほしい。

「なんだい、あいつら、勝手なことばっかり言いやがって。」

と、吐き出せるものを持っているだろうか。

 

ぼくは、従兄弟が長田の区役所で仕事をしていたから、

いろいろなことが分かる。

 

きれいごとだけでは、人は生きられない。

どうか、がんばっている方々、どこかで吐き出して下さい。

 

文句を言ったり、不平を言ったり、ごじゃを言ったりすることで、

人はバランスがとれるのだから。

 

 

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