問題行動にどうしていくか その3

Posted By on 2013年7月27日

子どもというものは、まあ、大人もそうなんだけれど、

自分のしている行為というものが見えていないことが多い。

教師からすれば、

「この子は、分かっていてやっている」

と思うかも知れないが、実は、分かっていない、

というか、どういうものであるかが、見えていないことがある。

そんなときは、叱るのではなく、自分の行為がどういうものかを可視化すると、

自分で考えるようになるときがある。

机に落書きばかりして、止めない子どもがいた。

僕は、その子の目の前で、授業中にわざと、算数のひっ算をその子の机に書いたことがある。

怒りましたよ。

「何するんや」

ってね。

「えっ、ここは、落書きしていいんじゃないの。」

そうすると、

「するんなら、先生の机に落書きしてよ。」

なんて、言う。

僕は、こう言った。

「まず、この机はね、学校の備品であって、君の持ち物ではない。

でも、この机だけは、落書きしてもいいみたいだから、するんだよ。

他の子の机はきれいから、できないし、先生の机は、よごしたくないからね。」

彼は、休み時間に机の落書きを全部消してしまった。


また、意表をついたことを言うと、子どもは、びっくりする。

子どもは何か問題行動をとりながらも、

「先生はきっと怒るにちがいない」

と思いながらやっている。

そんなとき、意表をついて、否定的な行動を否定しなかったら、子どもの心が動く。


否定的な行動を否定しないというのも、ミルトン・エリクソンから学んだこと。


尊師岡田崇先生は、子どもがカタツムリを持ってきて、

それを机の中に入れてこそこそと見ていたとき、

その子のそばにいって、

「ええもの、持ってるなあ。机の上に出して、筆箱の中においておいたら、どうや。」

といって、堂々と彼の机の上に置かせたそうたである。

そうすると、彼はかえって、授業に集中してきたとおっしゃる。

僕も、いらないものを持ってきてちらちら見ている子どもには、机の上に出させるようにしていた。

そうしたら、かえって、子どもは授業へ向く。

自分の行為を先生が否定しなかったことも、プラスに働くのである。

ただし、堂々と授業中に読書しているような子どももいる。

教師は、腹が立つ。

そんなときには、「これをどう料理してやろうか」と考えた方が、おもしろいものだ。

その子は、教師を試しているのだから。

その子の性格に応じて、いろいろとやってみたらどうだろうか。

怒るだけではのうがないし、

それで、次もされたら、怒り方がエスカレートすることにもなる。

少し冷静にクールダウンしてから、対応の仕方を考えるだけで、

半歩前に進むものである。

 

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