概念くだき

Posted By on 2013年2月13日

「概念くだき」とはもともと国分一太郎さんたちが提唱したことで、

いろいろな考え方があるようだが、僕は次のように解釈している。


朝、母親とケンカして、学校に来ている。そのときに、作文を書いた。

「うちのお母さんはいつもやさしくて・・・。」

というようなことを書いた。もちろん、お母さんのことは好きだろうし、

やさしいと思っているだろう。

でも、ケンカして怒鳴りあいして、腹を立てた状態なのに、

それは置いておいてきれいごとの並んだ作文を書くのは、

子どもの事実を描けているとは言えない。

そういうときは、

母とケンカしたこと。

言い合った言葉。

そのときの自分の思い。

でも、母のふだんの言葉と態度から感じている愛情。

等と、事実を書きながら考えることがなければ、子どもの姿は出てこないし、自分を見つめることにもならない。

「・・・いつもやさしいです。」

「・・・命は大切です。」

「・・・がんばりたいと思います。」

「・・・えらいなあと思いました。」

月並みな、だれでも書ける、いつでも書けるような作文を書いていては、

子どもは育たない。

自分の生活をあるがままに見つめて書く。

それによって、「やさしいとは、どういうことか。」

「命はなぜ大切なのか。」「その人の言動の値打ちはどこにあるのか。」等といったことを、

より深く考えられるようになってくるのだ。

それを、「概念くだき」と僕は考えている。

ものの見方、考え方を深めるということである。

 

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