矜持

Posted By on 2012年9月25日

この頃、矜持ということを

強く思う。

矜持のある生き方をしたい、

そんな気持ちが強くなっている。

 

矜持の反対語は「恥知らず」かな。

 

僕の友人で

神戸の詩人玉川侑香さんの

エッセイと詩「ここは生きるとこや」(ユック舎)

の中には、震災後の仮説住宅で生きる人々の姿が描かれている。

 

そこに、72歳で亡くなられたTさんのことが出てくる。

亡くなられたとき、冷蔵庫は空っぽ。

通帳には、19万円だけ。

この19万円はTさんの最後のとりで「葬式代」であったという。

生活保護を申し入れたが、福祉事務所は

「その19万円が無くなったら来なさい」

と、保護をはねつけていた、という。

自治会長、安っさんは、声を絞り出すように言った。

 

「この方は19万円で人間として最後の誇りを守った。」

 

そして、そのお金で葬式を出した。

 

哀しいが、尊い話。

 

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