臨教生 「教育生活の反省」

Posted By on 2012年2月29日

母が昭和20年に助教として教壇に立ったときのノートが出てきた。

 

表書きは、筆。

母は達筆である。

父も職業柄、達筆であったのに、

なんで僕は字が上手くないんだろう、

などと思いながら読んでいた。

 

「Ⅰ、発足に当りて感じた事

希望の門、理想の門、生命を賭した奉公の道、

それが私の選んだ、

同時に私の身を思って下さる恩師等の指示された教場の生活であった。

日々、悔いなき授業に終始しているか、今日一日心に恥ずるなからしか、

夕べ更けゆく野路に佇みて、今日の営為を省みれば、

ああ、あまりにも貧しき自分ではあった。」

 

なんだか、不思議な気持ちがする。

 

反発ばかりして、僕にとって反面教師であった母のこの言葉は

僕自身が、ずっと心に抱いてきたことと、全く同じなのである。

 

遺伝子からは逃れられないのだろうか。

 

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