「愛にはじまる―ダウン症の女流書家と母の20年」

Posted By on 2012年2月11日

 平清盛の題字に、ダウン症の女流書家金澤翔子さんの字が使われている。

書道はよく分からないが、この方の字には、何とも言えない力を感じる。

なかなか太い筆でああいうかすれは出せないものだ。

 そのお母さん、金澤泰子さんの本が出ている。

 僕が持っているのは、

「愛にはじまる―ダウン症の女流書家と母の20年」。

ひじょうにコメントが難しいが、

この本には、母親の苦しさとその向こうにあった悟りのようなものが描かれている。

たまたま母親が書道家だったから・・・。

障碍があるから、取り上げられている。

そんなものでは、ない。

まずは、翔子さんの字を見れば、分かる。

芸術はウソをつかない。

この本には、きれいごとは、一切書いていない。

しかし、伝わってくるのは、

「人が生きるというのは、こういうことなのかなあ・」

という、力のようなものだ。

お父さんは早く亡くなられたが

この方がすばらしい。

この方の背負い方がすばらしい。

このお父さんだったから、この母子が生かされた、

そんな気がする。

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