人物設定の重要性

Posted By on 2011年12月22日

「わたしはおねえさん」という物語を学習している。

 

文学教材でまず一番に大切にしているのは、

登場人物の人物設定である。

これについては、拙著「多賀一郎の国語の授業の作り方」(黎明書房)を見てほしい。

 

低学年の子どもたちは、常に自分が物語に登場している。

主人公だけでなく、他の登場人物も全て、同じ2年生の感覚なのだととらえてしまいがちである。

 

そこに、授業の切り込み口がある。

 

妹のかりんちゃんがすみれちゃんのノートに「落書きした」というのは、

2年生の発想であって、

2歳の子どもの感覚では、これは

「おべんきょ」

なのである。

 

そのことが理解できないと、すみれちゃんの心が広くなったことが分からない。

 

ポイントは、2歳の子どもってどういうものなのかということである。

 

多くの子どもたちが弟や妹に「落書き」された経験を持っている。

また、これからも体験することがあるだろう。

そのときに、ここで学んだことが活かされたら、

生活と文学体験がシンクロする。

 

 

 

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