そのⅥ 悪口ばっかり

Posted By on 2012年4月5日

この時期の子どもたちは、他人の悪口ばっかり言います。

それが自然です。

なんにも他人の悪口を言わない子どもの方が心配ですよ。

「人のことばっかり、言いなさんな。」

と、僕も一応叱りますが、人のことばっかりが見えてくるものなんですよ、この時期は。

 

このとき、人の文句や悪口の言い方を考えさせることが必要です。

例えば、子どもはよく「みんなが、いじめてきた」というような言い方をしますね。

 

みんなのはずがないでしょう。

そこで、誰と誰がいじめてきたのか、その人数をはっきりと語らせることです。

きちんと数えたら三人しかいなかった、というのがだいたいのところでしょう。

 

僕は、そういうとき、こういいます。

「みんなか。みんなというと、先生も入るんか。先生は君をいじめてないよ。」

すると、

「先生は入ってない。」

と言います。

「じゃあ、又よし君は?綾部君は?」

と、絶対にそういうことをその子にしない子どもの名前を出して、たずねます。

 

そんなふうにして、だんだんと追いつめていって、

誰と誰と誰の三人だけであることを、はっきりさせます。

 

これって、重要なんですよ。

三人にいじめられたことを「みんな」と言うのは、事実に反しているだけではなくて、精神的にもみんなからやられたという負担が増えてしまいます。

「なんだ。本当は三人だけの話だったんだな。」

なんて思ってくれたら、心は軽くなりますね。

 

もちろん、その三人について話をきちんとしていかねば、子どもの信頼は得られませんが。

 

中学年の子どもは基本的に前に傾いていて、

自分の反省なんて、できないものです。僕はいつも三年生の保護者会で、こう言います。

「この時期の子どもの反省は、サルの反省だと思っていてください。反省って、かっこうだけするけど、本当に心から反省できないんです。」

 

それで、そうやって他人をきちんと見るトレーニングをしていると、高学年以上になって、自分を振り返ることのできる時期が来ると、そのきちんと事実を見る目で、自分のことを見ることができるようになるのです。

これこそ、本当の反省になりますね。

 

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