国語学力がないということ

Posted By on 2015年3月11日

④ 思い・考えを表現できない
・ 自分の思いや考えを適切に表現できないという子どもは、
国語の力がないと言って良いだろう。
 ただし、表現できないのには、さまざまな理由がある。
つまずきには、バリエーションがあり、一様ではないということだ。
単に技術だけの問題ではない場合も多く、
技術面と心理面の両方から見ていかねばならない。

・ 表現には、「書く力」と「話す力」とがある。
この二つは必ずしも連動しない。
教師の中にも、講演ではなかなかの表現力を発揮するのに、執筆したらからっきしダメな方がいらっしゃる。
また、その逆もときどき見かける。
「必ずしも」という言い方をしたのは、
両方とも得意な方も多くいらっしゃるからだ。

・ 話す力は書く力よりも指導しやすいと、僕は考えている。
 話すためのてだてはいくつもあり、トレーニングによって、かなりのレベルまであげることは可能だ。
 しかし、書く力については、なかなか授業で培ったものが生きて働くまでには到達しない。
これは、書くことには話すことよりも中身の個性が求められるからだと思っている。
つまり、話すことよりも書くことの方が作品としての価値が高いのである。
 また、引きこもって書くことはできるけれども、引きこもって話すことはできない。
話す時は常に、目の前に対象となる相手が存在する。
書くことは、最終的には人に開いていく行為であるが、書いている瞬間には、目の前に人はいない。
 日常において必要なのは、書く力よりも話す力なのである。

About The Author

Comments

Comments are closed.