「国語学力とは何か」  

Posted By on 2015年3月8日

「学力」とは曖昧な言葉だが、なんとなく皆が使っている言葉でもある。
学力そのものはとても説明しにくい。
「学力とは何か」を考えるならば、「学力がない」というのは、どういう状態なのかを考えると、分かりやすい。
 国語学力のない子どもをイメージしてみよう。
次のような場合を、「国語の学力がない」と言えるのではないだろうか。

① ペーパーテストの点数が低い
・ 一般的に学力として評価されるのは、ほとんどペーパーテストである。
ペーパーテストの中身そのものも吟味して考えることであるが、
中学入試、模擬テスト、全国学力調査、これらは、全てペーパーテストである。
 ペーパーテストの中身について吟味しないと、本当の学力を考えることはできないが
、少なくとも、国語のペーパーテストで低い点数をとる子どもは、国語の学力が弱いと言わざるをえないだろう。
発表がたくさんできようとも、大きな声が出せようとも、感動的な作文が書けようとも、
ペーパーテストが悪ければ、国語の学力がないと言われてしまうものである。

・ ところで、漢字のテストの点数が低いからと言って、
国語の学力が低いと言い切って良いのだろうか。
漢字の暗記力は、国語の学力のごく一部ではあるが、現場においてその割合が妥当性を担保できているのだろうか。
国語のテストにおいて、漢字の読みと書き取りの占める割合について、
どの程度が妥当なのかという議論はあまりなされてこなかった。
それでいて、中学入試で言うと、漢字の出題率の高い学校は、おしなべて偏差値が低いという傾向がある。
それは、漢字のテストの比率を高くしないと、とんでもなく悪い点数になってしまって、
合格平均点も下がるし、選抜するときの差もはっきりしなくなるからである。

・ 読解のペーパーテストにおいては、教科書で学習した文章をそのまま出して、国語の学力が計れるのかという疑問がある。
未知の文章を読み解く力こそが、国語の読解力なのではないだろうか。
 しかし、現場の市販テストも教師作成テストも、ほとんど既知の文章で問いかけている。
入試になると、未知の文章ばかりなのに・・・。

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