教師の品格 ⑤

Posted By on 2014年7月29日

教師の品格 ⑤

「全員」など無理なのに、全員をめざしていると自覚せよ

 

僕の本で最も売れているのが

「全員を聞く子どもにする教室の作り方」である。

8刷りになっている。

 

この本のタイトルにずっと抵抗がある。

僕は「全員」などということは、あり得ないと思っている。

でも、著書に「だいたいの子どもを聞く子どもにする・・・」なんてやったら

買ってもらえないだろう。

 

いろんなところで

「全員。どの子も全て。みんなが」

というような言葉を連発発信される方々がいらっしゃる。

 

教師は、全員ができるようになるように

全員が幸せになれるように

日々、努力をしている。

目標には、98%なんてあり得ない。

100%が目標だ。

そんなのは、当たり前。

 

でも、同時に、ものごとによっては、全員なんて無理なのだという思いをもっていないといけないのではないか。

特に、心に関わることは、全員を同じレベルにすることは、無理だ。

 

全員ができる、全員がなんとかなる

ということは、あり得ない。

あり得ないことを「できる」と語るのは

宗教やファシズムに近づかないだろうか。

 

僕のクラスの子どもたちは、いつも100%僕の考えに賛同はしてくれなかった。

だから、今ここで書いていることは、僕の逃げ口上かも知れない。

 

でも、僕は、「全員」を声高に語る方に

品格は感じられない。

 

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